「RPA(Robotic Process Automation)」がエンタープライズIT分野における2017年の注目キーワードであることに異を唱える人は少ないだろう。人工知能(AI)やロボット、IoT(インターネット・オブ・シングズ)などとともに新たなテクノロジーの1つであり、「働き方改革」や「ホワイトカラーの生産性向上」といったビジネストレンドを支える手段として関心を集めている。

 RPAが注目されている要因として、導入効果の高さが挙げられる。人手で行っていた事務作業をRPAで自動化すると、場合によっては作業時間を従来よりも80%短縮できる。人手で操作していた情報システムを含めて、これまでの事務の在り方を抜本的に変革できるからだ。

 こうした効果を見込んで、RPAの導入を検討し始めた企業が日本でも急増している。その一方で「RPAの正体がよく見えない」「どんな業務でも導入効果が上がるのか疑問だ」「導入するためにどのような作業が必要なのかが分からない」といった声も聞かれる。

 この連載ではRPAの基礎知識はもちろん、導入に必要な要件や、ツール選びの勘どころなどをできるだけ平易に説明していきたい。RPA導入を検討している読者の皆さんの一助になれば幸いである。

 今回は導入編として、RPAとは何かに加えて、RPAが注目を集めている背景を見ていく。

PCを使ったルーチンワークを代替

 RPAとは「ロボット」を使って、いわゆるホワイトカラー(頭脳労働者)が担っている事務作業を自動化することを指す。デジタルレイバー(仮想知的労働者)とも呼ばれる。

図●RPAとは何か
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 ホワイトカラーの事務作業には様々な種類があるが、現在のRPAが主な対象としているのはPCを使った定型的なルーチンワークである。データの入力や検証、転記などが典型例だ。「あるシステムで処理した結果を別のシステムに入力する」といった異なるシステム間をつなぐ作業も、日本企業ではよく見られるルーチンワークの1つである。

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