デジタルガレージは2017年7月25日~26日、都内で自社イベント「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2017 TOKYO」を開催した。2日目のテーマは、昨年の1日目と同じ「ブロックチェーン」。ビットコインのコア開発者や研究者、金融関係者が集まり、ブロックチェーンの未来を語った。本レポートではその模様を報告する。

写真●THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2017 TOKYOの2日目のテーマは「ブロックチェーン」だった
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 「ブロックチェーンは、皆が思うほど早くはこない」。デジタルガレージの共同創業者で米MITメディアラボ所長の伊藤穰一氏は、冒頭のセッションでこのように語った。

 伊藤氏は、未来科学者ロイ・アマラ氏が提唱したアマラの法則――「我々は、技術について短期的な影響を高く見積もり過ぎ、長期的な影響を低く見積もりすぎる」――を紹介した。ブロックチェーンも同様に短期的な期待が先行しているが、本当のインパクトが訪れるには時間がかかるというわけだ。

 インパクトが来るまでに時間がかかる技術の例として、伊藤氏はインターネットを、続いて基調講演に登壇した加ブロックストリーム インフラストラクチャー・テック・エンジニアのラスティ・ラッセル氏はLinuxを挙げ、ブロックチェーンと比較した。

インターネットとブロックチェーンを比較する

写真●デジタルガレージの共同創業者で米MITメディアラボ所長の伊藤穰一氏
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 伊藤氏は、インターネットと比較して現在のブロックチェーンに欠けている要素として「レイヤー化」を指摘する。

 インターネットを構成する技術はレイヤー構造となっている。1970年代にパロアルト研究所(PARC)が開発した「Ethernet」、同じく1970年代に米国防高等研究計画局(DARPA)と米大学が開発した「TCP/IP」、1990年頃に欧州原子核研究機構(CERN)が開発した「HTTP/HTML」、1990年中頃に米ネットスケープが開発した「SSL3.0」などである。

 現在は、レイヤーごとにいくつかの技術コミュニティが標準仕様を管理している。低レイヤーのプロトコルはIETF(Internet Engineering Task Force)、IPアドレス管理はICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)、HTMLの仕様はW3C(World Wide Web Consortium)が担った。それらのレイヤーの上で激しい競争が起こり、米スリーコム、米シスコ、米アマゾン・ドット・コムといった企業が勝ち残って急成長した。

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