第1回の冒頭で説明した通り、データ分析やロジカルシンキングなどのツールを使うと、何かしらの「“正解”が得られる」と考えている人は非常に多い。だが現実は全く異なる。どんなにいい武器を身に着けても、正解にはたどり着けない。なぜなら、データ分析には「正解などない」からだ。

 そのため、「正しい答えはどこか」とか、「自分が出したアウトプットは正解にどれだけ近いのか」と悩むこと自体、ナンセンスである。

 とはいえ、目の前の課題や目的に対して、「アウトプットが生み出す価値の違い」は明らかに存在する。その違いを生み出す要因は、必ずしもツールによらない。“道具”を強化しても、違いはあまり生まれない。

 課題解決プロセスの入り口で勝敗を分けるのは「課題の“分解”」であると私は考えている。この分解スキルを上げるのが本連載の狙いだ。

「A君が会議に遅れる理由」はほかにないか

 さて、前回に引き続き、「A君はいつも5~10分、会議に遅れる」という例の分解を考えてみたい。

 いきなり問題を細かい各要素に分解するのではなく、「カテゴリー」といった大きなくくりで考えてみると整理しやすいことは既に説明した。分解する要素が大きいほうが思いつきやすい。

A君が会議に遅れる要因を二つの「カテゴリー」でまとめる
(出所:データ&ストーリー)
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 ここで「う~ん、これで全てのカテゴリーを挙げられたのだろうか。大事なものが漏れてはいないか」と心配する人が少なからずいるはずだ。さらに視野を広げて、カテゴリーの取りこぼしがないようにするには、どうすればよいか。あなたならこの先、どう切り開いていくだろうか。

 繰り返しになるが「正解は何だろう?」とは考えないでほしい。その代わり、自分なりのロジックをどのように組み立てられるかに注力する。その結果は千差万別で構わない。

 私なら、既にカテゴリーとして挙げている「A君の要因」と「会議室の環境の要因」の二つをにらみつつ、「これらの“抽象度”をさらに上げてまとめてみることはできないか」と考えるだろう。

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