何か問題が起きるたびに、上司から「なぜなぜ分析を実施せよ」と言われることがある。しかし部下にしてみると、「時間が取れない」「そもそもなぜなぜ分析には時間がかかる」ので、面倒に感じられるようだ。

 そんな職場でよく見かけるのは、不必要な「なぜ?」の付せんがたくさん並べられている様子。例えばベテランがミスをしたとして、その際に「基本的な作業要件を知らなかった」といった、まるで新人がミスしたような「なぜ?」が並んでいたりする。これはナンセンスだ。

 同様に、過去に何百回も繰り返してきた作業で、前回までは何も問題がなかったにもかかわらず、「今回は失敗した」といったケース。こんなときも「担当者が作業手順を理解していなかった」といった「なぜ?」を出しても、意味がない。時間の無駄だ。ちょっと考えれば、そんな「なぜ?」は必要ないと誰でも気づく。

前提が分かれば、1時間で分析できる

 私がなぜなぜ分析する場合はどうか。ミスをした当事者あるいは関係者に集まってもらい、まずは失敗に至ったいきさつなどの情報を収集する。その後、「なぜ?」を繰り返し、最後に再発防止策を出すまで、合計3時間を超えることはほとんどない。

 しかも3時間のうち、最初の2時間を情報収集に充て、残りの1時間で「なぜ?」を繰り返して再発防止策を導く。1時間あれば、なぜなぜ分析を十分に終えられる。

 そう言うと「当社でなぜなぜ分析をすると、再発防止策を出すまでに6時間以上もかかる」といった声が出る。それが「たった1時間で本当に終われるのか」と、信じられない人が大勢いるようだ。

前提条件を押さえずに、なぜなぜ分析を実施した例。検討すべき焦点が定まっていない
(出所:マネジメント・ダイナミクス)
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