テレワークを始める際には、どのようなツールを準備すればよいのだろう。「電話でも電子メールでも構わないケースはある」とパーソルプロセス&テクノロジーの成瀬岳人氏(ワークスイッチコンサルティング ゼネラルマネジャー/ワークスタイル・コンサルタント)が話すように、特別なツールを導入せずテレワークを実践する企業もある。

 しかし実際にテレワークを始めてみると、「多くの企業は三つの壁に直面する」と成瀬氏は指摘する。三つの壁とは、セキュリティの壁、コミュニケーションの壁、そして労務管理の壁だ。

 セキュリティは「個人情報の扱いなどが必ず、問題になる」と成瀬氏は話す。ツールを導入することでセキュリティを確保するだけでなく、テレワーク向けにセキュリティ規定を変更するなどの対策を考える必要がある。

 二つめのコミュニケーションの壁はテレワークを実施するうえで、真っ先に上がる懸念事項だ。上司が部下にすぐに声を掛けられるのか、テレワークをしている人だけ疎外感があるのではないか、全員が社外で仕事をしてしまい顔を合わせなくなるとチームワークを確保できるのか。

 こうした悩みを解決するために、Web会議システムやTV会議システム、そしてビジネス向けチャットなどを導入する企業が多い。ただし「ツールを先行して導入するのではなく、要件定義から始めないとツールが使われなくなる」(成瀬氏)。普段は何人で会議をすることが多いのか、対面の社内ではどのようなコミュニケーションを採っているのか、などを踏まえてツールを導入しなければ壁は乗り越えられない。

 そして三つめが労務管理の壁だ。社内で働いている場合、在席しているかどうかでも勤怠を可視化できる。しかし社外にいる場合は、実際に働いているかどうかを目視することはできない。

 実は労務管理の壁は、「本当に働いているのか」を確認したいというケースだけでななく、どこからでも仕事が出来てしまうことによる「働き過ぎを防ぎたいというケースもある」(成瀬氏)という。

シェアオフィスまでパッケージ化

 経営課題としての働き方改革や、その手段としてのテレワークが注目を浴びる中、こうした壁を乗り越えるための製品・サービスが今、続々と登場している。

 最近、登場したのがテレワークに必要なツールを一通りセットにしたサービスだ。NTTドコモが2017年6月28日に発表した「ワークスタイル・イノベーションパッケージ」や、フリービットが6月5日に発表した「YourNet New Work Style」が代表例だ。

 NTTドコモのワークスタイル・イノベーションパッケージは、テレワークに必要な製品・サービスとともに、シェアオフィスの利用権をセットにしたのが特徴だ。シェアオフィスの利用権をセットにしたのは、「喫茶店などで仕事をしている人もいるが、それではセキュリティが保たれない」(NTTドコモ 第一法人営業部 第二営業・第一担当課長の戸田陽子氏)ケースがあるためだ。

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