キュレーションメディアと同時に健全性を問われているのがインターネット広告だ。素人がネット通販などの商品を紹介して報酬を得る「アフィリエイト広告」をはじめ、嘘、大げさ、紛らわしい表現が横行。ネットの信頼を損ねる一因となっている。ネット広告業界に自主規制の動きも芽生えるなか、存在意義が問われている。

ネットの苦情、前年の2.3倍に

 前年度比2.3倍の1936件。日本広告審査機構(JARO)の元へ2016年度に寄せられた、インターネットに関する苦情の件数だ。主な内容は広告主のネット通販サイトや企業サイトにおける、景品表示法(景表法)や医薬品医療機器等法(薬機法)の問題となる表示に関するもの。ポータルサイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)中の広告を経由してたどり着いたケースが多いという。

 不適切な広告表示の一例が、SNSの投稿に挟んで表示するインフィード型の「アフィリエイト広告」だ。アフィリエイト広告は会員登録や商品購入といった成果に応じて料金が発生するタイプの広告。個人が自らのWebサイトやブログ、キュレーションメディアに広告を掲載し、訪問者が広告をクリックして移動した広告主企業のサイトで会員登録や資料請求をしたり買い物をしたりすると、広告を載せた個人に成果報酬が支払われる。

 キュレーションサイトに貼られることの多い広告の一つがアフィリエイト広告。ダイエットや美容、健康に関するノウハウを記したまとめ記事に化粧品や健康食品のアフィリエイト広告を掲載する、といったものだ。

 「飲むだけで10キロ痩せた」「たった1週間で別人に」――。広告をクリックした先には、真偽の疑わしい美容法を説明した体裁のネット記事が出てくる。JAROによればこれらは薬機法の規制対象になり得るという。

 「インターネット広告の健全化に向けて、業界を挙げて取り組む。インターネット広告業界は決して怪しいものではないと啓蒙していきたい」。こう語るのはネット監視サービスなどを手掛けるイー・ガーディアンの佐伯朋嗣取締役だ。2017年5月23日、イー・ガーディアンの呼びかけで「インターネット広告健全化プロジェクト」が発足した。

「インターネット広告健全化プロジェクト」の参加企業
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 法令違反や誇大広告の疑いのあるネット広告の是正に向けて、情報交換や実態調査を図る。アドウェイズ、インタースペース、バリューコマース、ファンコミュニケーションズなど7社が参加した。

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