「破壊的イノベーションは異業種から起こることが多いが、コマツは自ら破壊していく」―。2017年7月5日、都内で開催された「IT Japan 2017」(日経BP社主催)の基調講演に、コマツの野路國夫会長が登壇。様々な業界との衝突を恐れず、日本の製造業自らがプラットフォームを作りイノベーションを起こすことの重要性に言及した。

コマツの野路國夫会長
(撮影:井上 裕康、以下同じ)
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 建設機械などを手がけるコマツは、新興国を含むグローバル企業に建設機械を提供してきた。早くからIT活用に力を入れており、無人ダンプトラック運行システムなどを提供。オーストラリアの鉱山などで、約100台の無人ダンプトラックを動かしている。

 かつてはダンプトラックを販売するのみだったが、新しいビジネスモデルではダンプを運行するシステム全体とそのサポートまで顧客企業に提供する。

イノベーションは一気に起きる

 ITを取り入れた新たなソリューションに取り組んできたコマツだが、その道は簡単ではなかったという。一番苦労した点は、「顧客の生産性をあげればあげるほど、建設機械が売れなくなる」という社内からの反発。例えば、ITを活用したシステムは顧客の生産性を2倍にすることを目標に掲げているが、そうすると売れる建設機械の台数は半分になる。

 それでも、ハードを持つ会社が自らイノベーションを起こす必要があると野路会長は強調する。自動車業界における米Uber Technologiesの例を挙げ、「どこかのベンチャー企業に先を行かれ、その下請けになることになる」と危機感を述べた。加えて、「日本は米国などに比べて、AIやIoTなどの技術開発が非常に遅れている」と指摘した。

 コマツは「KomConnect(コムコネクト)」というプラットフォームを2年前から開発し、現在は顧客と実証実験をしている段階だという。Microsoft Azureを使い、測量データや施工データなど、建設現場におけるデータを収集する。ドローンを飛ばして3次元データを作成するなどのサービスも提供する。

 「画像解析の技術の進歩は目覚ましく、1年たてば、3次元データが瞬時に送られてくるようになるのではと思うほどだ」と、野路会長は述べる。技術革新により一気にイノベーションが起きるため、日本は乗り遅れないようにしなければならないと指摘した。

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