NECはグループで1万人以上のセキュリティ人材を育成済みだ。同社は2012年にサイバーセキュリティを成長領域に据え、2014年には2018年3月期までにセキュリティ人材を当時の600人から1200人に増員し、関連事業の売上高を当時の約2倍となる2500億円に引き上げる目標を立てた。それが実際には、当初予定の10倍近い数のセキュリティ人材を2017年6月時点で育成できたことになる。

 ただ現在は、「人材育成では数は追わない。受注につながる“実のある”人材育成を進めていく」。人材育成を含めて、全社のセキュリティ関連事業を取りまとめるSI・サービス&エンジニアリング統括ユニットサイバーセキュリティ戦略本部の本部長に2017年4月に就任した石井俊行氏はこう育成方針を話す。

SI・サービス&エンジニアリング統括ユニットサイバーセキュリティ戦略本部の石井俊行本部長(右)、峯岸誠マネージャー
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「世のため人のため」がNECのセキュリティ

 石井本部長は「官公庁や大企業だけでなく、中堅・中小企業にも寄り添ってセキュリティを高めていくのがNECの社会的使命」と話す。その理由は、遠藤信博会長から「世のため人のためにやりなさい」とメールなどで説かれているからだという。遠藤会長は安倍晋三首相が「我が国のサイバーセキュリティ分野の司令塔」と位置付ける内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)のサイバーセキュリティ戦略本部の本部員を務める。

 “使命”を果たすべく、NECは2015年からセキュリティ人材を3層に分けて育成している。最上位の第3層である「セキュリティプロフェッショナル人材」はいわゆる「トップガン」の層だ。NECが2013年と2014年に相次ぎ子会社化したサイバーディフェンス研究所(CDI)やインフォセックのメンバーが該当するという。

3層で整理したNECのセキュリティ人材
(出所:NEC)
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 中位の第2層は「業種別セキュリティ人材」だ。業種業界のガイドラインやレギュレーションを順守した、業界ごとのセキュリティサービスを作ると同時に、セキュリティ事故対応を担当できる人材という。

 NECは2016年からCDIとNECとのセキュリティの仕事を切り分け始めた。「基本的には本当に高度なサイバー攻撃の事案のみ、CDIに対処してもらうようにした。第2層の人材が厚みを増してきたので、スーパーエース級をそろえるCDIにはここぞという出番で活躍してもらうようにして、モチベーションと成長機会を与えている」(石井本部長)。

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