2017年6月14日、ICTの総合展である「Cloud Days 札幌 2017」(札幌コンベンションセンター)で、総務省北海道総合通信局の竹内友宏情報通信連携推進課長と、同事業の業務支援を担当している野村総合研究所(NRI)の栗生澤亜希主任コンサルタントが講演し、ほとんどのICT関連ベンチャー企業が経験する「死の谷」の克服の支援について語った。

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総務省北海道総合通信局の竹内友宏情報通信連携推進課長
(写真:浅野久男、以下同)

 ここでいう死の谷とは、多くのベンチャー企業が実証段階を乗り越える前に資金がなくなるなどして、ビジネスの継続が困難になってしまう状況を指す。総務省が示す具体的な支援策は、「ICTイノベーション創出チャレンジプログラム(I-Challenge!)」だ。

 I-Challenge!は総務省が2014年度から実施している支援制度で、光る技術を持つベンチャーによるICT分野での新事業の創出をサポートする。ベンチャー企業への支援額は上限1億円で、補助率は企業の場合は3分の2、大学などは10割。チームを組むベンチャーキャピタルへの支援額は上限1000万円で補助率が3分の2、支援期間はいずれも1年間となる。

 今年度は3~5件の採択を予定。過去の支援例では支援額がベンチャー企業向けで5000万円程度、ベンチャーキャピタル向けで500万円程度になる場合が多いという。

 NRIの栗生澤氏は採択のポイントとして、技術的優位性がある、将来的な市場の広がりが期待できる、POC(Proof of Concept、概念実証)ステージの提案である、の3点を挙げる。特に3点目のPOCステージであるかどうかを重視するという。

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野村総合研究所コーポレートイノベーションコンサルティング部の栗生澤 亜希主任コンサルタント

 応募企業に対しては、国内の代表的なベンチャーキャピタルが一次審査し、一次審査を通過した企業はベンチャーキャピタルとチームを組んで二次提案を行う。例年40~50件程度の応募があり競争率は高いが、「補助金交付に至らなくても一次、二次の提案時にベンチャーキャピタルや評価運営委員からフィードバックされる意見やアドバイスは、ベンチャー企業にとって参考になる」(栗生澤氏)。

 I-Challenge!は、一般的な補助金交付と異なり、2017年度内ならいつでも応募が可能で、支援期間が年度に縛られない。2017年5月に採択を受けた場合は2018年4月末まで支援を受けられる。