2017年5月31日、「Cloud Days 名古屋 2017」(名古屋国際会議場)で、リクルートテクノロジーズビッグデータ部ビッグデータプロダクト開発グループの奥田裕樹、松田徹也の両氏がリクルートが展開する機械学習のソリューションの総称である『A3RT』の概要や実装事例と、基盤でのクラウド活用について講演した。まず奥田氏がA3RTの概要とサービス内容を解説した。

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リクルートテクノロジーズ ビッグデータ部ビッグデータプロダクト開発グループの奥田裕樹氏
写真:筒井誠己、以下同じ

 A3RTは「より早く、簡単に」様々なサービスに適用するという目的で、同社が開発した機械学習のサービスを統合したブランド名だ。当初は、リクルートグループの事業会社に提供されてきた。A3RTが提供する機能は、レコメンド、推薦システム、画像認識のほか、原稿生成や原稿校閲などがある。

 以前はコアのロジックを共通化しつつ事業会社の個別ケースに応じてきたが、数が増えるにつれ開発の負荷がどんどん高まっていった。効率的な展開を実現するために統合化を決断。昨今のオープンイノベーションの波もあって、一部については、社外へAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を公開。現在、ユーザーの行動ログからレコメンドリストを生成するListing APIや画像の好みを数値化するImage Influence APIなど6種類が公開済みだ。

 後半は松田氏がA3RTを支える基盤でのクラウド活用について説明した。キーワードは、「A3RTのインフラをいい感じにする」だ。松田氏は、「すぐ使える」「繰り返し使える」「自由なサイズで使える」が、A3RTを「いい感じにする」ためのキーポイントだと言う。

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リクルートテクノロジーズ ビッグデータ部ビッグデータプロダクト開発グループ松田徹也氏

 これらを実現するための有力なツールとなっているのがクラウドだ。ただ苦労している点もある。セキュリティポリシーをいかに守るか、既存環境とのデータ連結をいかに実現するか、の2点だ。現在はクラウドベンダーと連携しながら整備を進めている。

 このような課題があるものの、「クラウドを使った時のメリット、使わない時のメリットを比べてみると、使った時のメリットのほうが断然大きい」(松田氏)。このような判断から、今後も同社では目的に適したものを適宜利用して、A3RTを進化させていくという。