2017年5月30日、クラウド、ビッグデータ、IoT、セキュリティ、モバイルなどのテーマを網羅した総合展「Cloud Days 名古屋 2017」(名古屋国際会議場)で、i Smart Technologies(iSTC)の社長兼CEO木村哲也氏が講演。安価なセンサーを使った自社開発のIoT(インターネット・オブ・シングズ)による生産ライン構築について、ノウハウを公開した。

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写真:筒井誠己

 愛知県碧南市に本社を置くiSTCは、2014年からIoTやクラウド環境を利用し、自動車部品製造を手掛ける旭鉄工の生産ライン改善に取り組んでいる。今回は2016年までの取り組みと成果を中心に説明した。

 木村氏によると、生産ラインの改善を目的にした従来のIoTやクラウドは、「大掛かりで高い」「昭和の設備はNG」「欲しいデータが取れない」などの問題があったという。一方、旭鉄工の生産ラインが必要としたのは、生産個数、停止時刻・時間、サイクルタイムの3つのデータであり、この3つが確実に手に入るシステムを自作することとした。

 iSTSが採用したのは、製品が1個できるごとにシグナルタワーで光のパルスを発生させるというシンプルなものだ。これにより、古い設備機械にも対応するIoTを実現できたという。このパルスを収集してクラウドで処理し、分析結果はスマートフォンでチェックできる仕組みにした。

 効果は大きく、サイクルタイムは4.2秒から3.7秒に短縮し、停止時間とその長さから停止要因を割り出して解消。生産ラインの増設や用地が不要になるなど、「累計で3.3億円のコスト削減効果」があったという。

 木村氏は効果を出せた理由として、「欲しいものをとりあえず作ったこと、データを欲張らなかったこと、運用に力を入れたこと」の3つを挙げる。同社のシステムは既に20数社に導入済みだという。日本の中小企業は、生産ラインの稼動やサイクルタイムを正確に把握しておらず、IoTの導入による生産性向上の余地は大きいと、木村氏は語る。