消費者向け市場は盛り上がりを欠く一方、気軽に楽しめるスペースが街角に目立つ。その光景は1980年代の日本のゲームセンターのようだ。熱気はVRの本場、米国にも伝わりつつある。

 中国のVR(仮想現実)市場のユニークな点は「アーケード」を中心に市場が形成されていることだ。アーケードとはゲームセンターとほぼ同義。中国は業務用のVRサービスを商業施設で展開する「VRアーケード」が盛り上がりを見せている。

 筆者は2017年7月、中国にあるVRアーケードの運営会社やコンテンツ配信会社、ゲーム会社などを実際に訪れ、彼らのビジネスモデルや事業方針をヒアリングした。結果を通じて中国のVR市場は彼らがけん引役を務める「オフライン」のVRアーケードが主体であると実感した。インターネット上のコンテンツ配信サイトから消費者がゲームなどをダウンロードして楽しむ米国のようなオンライン市場は、中国にはほとんど存在しないようだ。以下、独自のエコシステム(生態系)を築いている中国のVRアーケード事情を報告する。

アーケード運営の専業会社

 まず訪れたのは上海のショッピングモールに入っているVRアーケード「Mix[V]」だ。入場は無料で、VRゲームのプレー料金は1回当たり20元(約330円)から80元(約1300円)程度。プレーできるゲームは子ども向けのパズルゲームから大人向けの本格的なシューティングゲームまで多様だ。

 Mix[V]を運営するSuper Captain VRは広州を本拠とする2015年設立のスタートアップである。社員200人弱の同社は中国全土の約400カ所でVRアーケードを運営する。

SuperCaptainVRが運営するVRアーケードMix[V]
(出所:GREE VR Capital撮影)
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