「企業にとってクラウドの活用は止められない不可逆な流れ。イノベーションを起こし続けるためのプラットフォームになっている」――。アマゾン ウェブ サービス ジャパンの長崎忠雄代表取締役社長は2017年5月31日、開発者やユーザー、ベンダーを一堂に会したイベント「AWS Summit Tokyo 2017」の基調講演でこう述べた。

アマゾン ウェブ サービス ジャパンの長崎忠雄代表取締役社長
(撮影:渡辺 慎一郎=スタジオキャスパー、以下同じ)
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 長崎社長は「米Amazon Web Services(AWS)がサービス提供を開始した2006年から、約10年で売上高は1兆円を超えた。IT業界では最速で成長した企業だ」と強調した。「10万超に増えた」(同氏)という日本のユーザーに対し、よりクラウドを導入しやすくする施策の一つとして、「2017年6月末までにサービスコンソールの100%日本語化を実現する予定」(同氏)と語った。

大阪リージョンの開設計画を発表

 東京リージョン(広域データセンター群)に加え、「2018年前半をめどに、特定顧客の利用に限定したリージョンとして、大阪リージョンを開設する」(長崎社長)計画も明らかにした。会場に集まった聴講者からは大きな拍手が起こった。

 AWSの各リージョンには物理的に距離が離れた「アベイラビリティーゾーン(電力、冷却、物理セキュリティの面で独立したデータセンター群)」が複数あり、冗長構成を実現できる。ただ、東日本での自然災害発生時などのBCP(事業継続計画)の観点から、より離れた場所での国内第2リージョンの開設を求める声は多かった。

 野村総合研究所 上級テクニカルエンジニア クラウドサービス本部 クラウド基盤サービス第三部の野上忍氏は、「国内の第2リージョンは、ユーザー企業のクラウド利用で必須要件になっているケースもあり、金融機関を中心にニーズが強かった。要望は以前から上げており、ようやく発表されたという感じだ」と話す。

 スタートアップ企業向けの支援強化についても発表があった。「スタートアップは我々の重要顧客の一つ。起業家向けに無料クレジットを提供するプログラム『AWS Activate』の上限枠を1100万円に拡大する」(長崎社長)とした。AWSによると「グローバルでは既に1100万円だったが、従来日本の無料枠は50万円だった」という。

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