起業家精神を尊ぶ企業文化で知られるリクルートグループ。そのITとネットマーケティングのスピード感の源泉となるクラウド基盤を支えるのが、リクルートテクノロジーズの宮崎幸恵さん(サイトリライアビリティエンジニアリング部クラウドグループ)だ。異動の激しいリクルート内では珍しく、新卒入社から6年超、クラウド一筋でキャリアを積む生粋のクラウド女子だ。

リクルートテクノロジーズのパブリッククラウド基盤を支える宮崎幸恵さん。
(撮影:菊池くらげ、以下同じ)
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 宮崎さんは、リクルートテクノロジーズが社内向けに提供するパブリッククラウド基盤「Rクラウド」のインフラを取り仕切る。利用部門の開発者がネットサービスを構築する際、ネットワークやセキュリティに目を光らせる。ID管理やアクセス権限の設定といった安定運用の勘所を押さえる重要な役どころだ。Rクラウドの設計思想は「自由を利用者に」。自由に伴う義務を一手に引き受ける。「生粋のクラウド」と社内で評される彼女を形作ったのは、クラウドの機能を自身の手で検証するエンジニアの気風だ。

生粋のクラウドネイティブ

 宮崎さんのITプロフェッショナルとしてのキャリアはクラウド、それもパブリッククラウドから始まった。2011年、旧リクルートに総合職で入社した宮崎さん。企画か、営業か。辞令を受けてみれば、マーケティング部門とIT部門を統合した「Marketing & Information Technologies United」、通称MITに新卒でただ1人配属された。

 その頃MITは、国内事業者のサービスを使ったクラウド基盤を作ろうと走り始めていた。リクルートの事業部門がサービスの開発に専念できる環境を整えるのが目的だ。宮崎さんの入社時は、カットオーバーを間近に控えたころ。本番環境に近いクラウド基盤に触れながら、ITをクラウドから学び始めた。大学院時代に環境学でLinux環境を分析ツールとして利用していた程度で、ITエンジニアとしてはほぼゼロからのスタートだった。

毎週上げた、Amazonクラウドの検証レポート

 おっかなびっくりコマンドを打つ日々を過ごしていると、「AWSを好きに使ってみて。毎週感想を教えて」。当時の上司にそう指示された。Rクラウドで利用するパブリッククラウドの候補として、米Amazon.comのクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」の検証の日々が始まる。仮想マシンの時間貸しサービス「Amazon EC2」、オンラインストレージの「Amazon S3」といった核となるクラウドサービスが、企業でも使えるレベルに達して脚光を浴びていた時期だ。

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