新田めぐみ(経営企画部 課長)が率いる、ミヤタ自動車の「働き方改革プロジェクト」。テレワークのトライアル開始まで2カ月を切った。いきなりテレワークを全社導入するのではなく、ひとまず市場調査室と購買部の2つの部門に絞って「小さく始める」と決めた。それでも時間は、あっという間に過ぎていく。

 「何をどう準備したらいいのかしら」。めぐみはやるべきことを、うまく言葉にできない。それを察した勇人(情報システム部 課長代理)がいつものように助け舟を出す。勇人はめぐみとは同期入社の間柄だ。

 「リリース管理に沿って、トライアルに必要な活動や資源を洗い出してみよう」

トライアルで周到な準備を怠らない

 「リリース管理?」。首をかしげるめぐみ。「この前、経営陣に承認されたプロジェクトの変更が確実に行われるように、観点や手続きをまとめたものを事前に作るんだよ」。めぐみはようやく理解した。

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(1)リリース管理

 ここでのリリース管理の目的は、変更管理で承認された内容を本番環境に移すことだ。すなわち、新たに始める業務やシステム、または既存の業務やシステムに対する変更を確実に実施(=リリース)して、現場の運用を軌道に乗せることを目指す。

 トライアルだからといって、手抜きは絶対に禁物だ。むしろトライアルだからこそ、しっかりと計画を立てて、スタートでつまずかないように万全を期す。

 「新規業務や新システムの運用を開始するための、ヒト(運営者や教育担当者)、モノ(デバイスやマニュアル)、ルール、プロセスはちゃんとそろっているよね?」

 「机上の空論ではなく、実際にその業務やシステムを運用できるよね?」

 「その業務やシステムの存在(あるいは変更された内容)を現場の利用者が知っているよね? あるいは知り得る状態になっているよね?」

 このような観点で、リリースとその後のフォローに必要な準備項目と活動を明確にし、実際に運用できるかをテストする。

 そのうえで関係者全員に周知徹底する活動を行う。単にリリースして「おしまい」ではダメだ。これではうまくいくはずがない。

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