リクルートマーケティングパートナーズは全社員がテレワークを利用できるよう人事制度を見直した。テレワーク導入企業でよく見かける「週2回まで」といった利用回数の上限はない。

 同社の働き方改革、第2の施策である「テレワークの導入」は、社員の約半数が営業担当者であることから出てきた施策だ。テレワークとはオフィスから離れた場所でノートパソコンなどモバイル端末を使って仕事をする働き方のこと。RMPでは「リモートワーク」と呼ぶ。「会社でしかできない仕事があるというだけの理由で、社外にいた営業担当者が会社に戻らなくてはいけないというのは非効率」と浅田氏は指摘する。

 そこで、全社員がテレワークを利用できるよう人事制度を見直した。「2時間以内に会社のオフィスに来られる場所」であれば働く場は問わないことにした。テレワーク導入企業でよく見かける「週2回まで」といった利用回数の上限はない。会議が必要な部署は「毎週火曜日は会議を行うので出社する」といったルールを設けてもらう。

日々の業務の無駄の削減を進める一方で全社で使うITや働き方の制度も整備した
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 テレワーク導入では「テレワークは、育児や介護で忙しい社員のために導入されるのもの。自分には関係ない」と考える社員が一部にいた。「会社を成長させるため、効率よく働けるようにする施策だと繰り返し社内に告知して、社員の理解を得た」と浅田氏は振り返る。

 テレワークの良さは、パソコン作業に集中でき仕事がはかどることだ。「かかってきた電話に応対したり、上司や同僚から話しかけられたりして、パソコン作業を中断せざるをえない」といったオフィスワークで起こりがちな場面がなくなる。

 RMPは、テレワークの良さを社員に実感してもらうため、導入当初から2週間、「毎週3回のテレワーク実施」を全社で義務付けた。未経験だった社員からも好評を得た。「オフィスでは3時間かかっていたパソコン作業が、テレワークでは30分で終わらせることができた」という社内事例も生まれた。「社内に、集中する時間、コミュニケーションを取る時間を使い分けて成果を出そうという機運が高まってきた」と浅田氏は話す。

チャットで“つながり感”を維持

 社内では会議を減らし、社外ではテレワークを推進する。働き方改革が進む一方で、社内から「社員同士のコミュニケーションが希薄になり、業務がスムーズに進まなくなるのでは」という懸念が出てきた。

 懸念はチャットツールの導入で払しょくした。会議の回数が減ったり、同僚が社外にいたりしても、社員同士がネットを介してコミュニケーションを密に取れるようにした。

 チャットツールでは、一つの部署ごとに「勤怠報告」「仕事に関するQ&A」「雑談」と書き込み内容に合わせて三つのグループを作成。社員は、内容に合ったグループに書き込んだり、確認したりしている。

 勤怠のグループを見れば、テレワーク中の社員の勤務状況がつかめる。仕事に関するQ&Aは過去のものも振り返ることができるのでノウハウの共有につなげられる。雑談のグループがあることで、仕事の合間に同僚と気さくな会話を楽しめる。一見生産性は下がるように見えるが、テレワークをしていても「社員は部署との一体感を持ちながら仕事を進められる」と浅田氏は話す。

 最後の施策は「働く場を多様にする」だ。テレワークの導入で、オフィススペースに余裕ができた。そこで「オフィスは様々な人たちとコミュニケーションを取るところ。こう見なして、カフェスペースを設けている」と浅田氏は話す。

社員が集まったり執務に専念したりできるよう様々なオフィスも用意
リモートワークが普及したことでオフィススペースにも余裕が出てきた。そこでカフェスペース(右)や打ち合わせスペースを設けて社員同士のコミュニケーションを活性化。フリーアドレスを導入しWi-Fiも完備している(写真提供:リクルートマーケティングパートナーズ(オフィス))
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