要件定義のワークショップ。山田さんは担当する業務領域についてしっかりと予習し、自分なりの仮説もバッチリ準備しました。ワークショップではキーパーソンの鈴木課長らに熱心に質問をぶつけました。

 ところが、肝心の利用部門の反応は今ひとつ。ワークショップ後半にはPCを広げ、別の仕事をしていそうな参加者まで出る始末です。説明を終えた後、参加者全員に「質問はありますか?」と聞いてみても、「うーん…そう言われてもなぁ」と薄い反応です。

 数日後、山田さんは先輩の在田さんが担当するワークショップに同席しました。山田さんが担当する業務との関連性が強いためです。

 在田先輩も質問をぶつけます。

「鈴木課長はXX業務について最も詳しい方とうかがっています。一番外してはいけないポイントは何ですか?」

「うん、三つある。一つはな…」

 鈴木課長の身の乗り出し方が自分のワークショップのときと全く違うことに、山田さんは気づきます。鈴木課長だけではありません。全員が積極的に意見やアイデアを出しているのです。「一体何が違うのだろう?」と山田さんは腑に落ちません。

 多くの人が一堂に会して意見を出し合うワークショップのような場では、より多くの参加者に積極的な姿勢を持ってもらう必要があります。そのためには、相手のプレゼンスに注目しましょう。自身のプレゼンスを高めることで話を前向きに受け止めてもらったのに対し、今度は相手が前向きに話せるように「あなたのプレゼンスを尊重していますよ」と伝えるわけです。

 冒頭のシーンで在田先輩は、「XX業務について最も詳しい方」と鈴木課長のプレゼンスを高める一言を加えて、意見を引き出しています。自分が重要な役割を果たせるという認識が高まれば、自ずと参加意欲も湧くのです。

 相手のプレゼンスを高めるには、三つの方法があります。(1)名前を呼んで話しかける、(2)会議の前に持ち上げる、(3)アイコンタクトを取るです。

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