山田さんが所属するA社の昇進試験の時期となりました。山田さんはチームの後輩から昇進試験の話を聞いていたものの、プロジェクトの作業が忙しくなかなか相談に乗れずにいました。

 結果発表の日となりました。後輩は昇進できず、がっかりしています。仕事へのモチベーションもだいぶ下がっているようです。「プロジェクトの作業に支障が出ないといいけれど…」と山田さんは不安になりました。

 一方、在田先輩のチームのメンバーはどうやら昇進したらしく、うれしそうです。そのメンバーは在田さんにお礼をしています。

「在田さんのおかげです。今まで以上に頑張ります!」。

 その様子を見た山田さんのチームメンバーが「いいなあ、在田さんの下で働きたいな…」とつぶやきました。それが耳に入った山田さんは不思議に思いました。「在田先輩は自分よりも忙しいはずなのに、どんなサポートしたんだろう?」。

 プレゼンス(存在感)は個人だけのものではありません。チームで開発や運用に取り組むITエンジニアであれば、チームのプレゼンスをどう上げるかも考える必要があります。

 プレゼンスが高いチームは、重要な業務を担当する機会に恵まれます。重要な業務を担当するチームには「このチームで働きたい」と意欲やスキルが高いメンバーが集まり、パフォーマンスもおのずと上がるでしょう。高いパフォーマンスの結果、チームのプレゼンスも高まる好循環が生まれます。

 チームのプレゼンス向上を目指すとき、メンバーの昇進試験は絶好のチャンスの一つです。この機会を生かすために、ぜひ取り入れたい活動が三つあります。

 一つめは、日ごろからメンバーの功績をアピールしておくことです。昇進試験のタイミングでアピールしても、相手には点取り活動のように思われてしまいます。そこで日ごろから、メンバーの上司や人事権を持つ人などの関係者に「彼・彼女の頑張りで良い成果が出ている」と小出しに伝えるようにするとよいでしょう。社内表彰などの機会にも積極的に推薦しましょう。

 二つめは、メンバーの顔と名前を売ることです。昇進を判断する関係者にとって「知らない誰か」よりも、顔と名前が一致する人材のほうが有利だからです。

 逆に悪いケース、例えばリストラなどでいずれかのチームが縮小を迫られるときは、プレゼンスが低いチーム、関係者に顔が分からない人材が候補に上がりやすいといえます。そうならないためにも、メンバーの顔と名前を意識して周囲に見せましょう。

重要な会議に代理出席してもらう

 具体的には、社内外の重要な会議に自分の代理として出席させます。メンバーには入念に準備してもらい、会議で発言するように促します。準備したうえでの発言によって「若いのにしっかりしている」と会議の参加者が認識してくれる可能性が高まります。このこと自体でメンバーのプレゼンスが上昇しますし、昇進試験にも有利に働きます。

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