これまで3回でインテル製CPUの選び方を紹介してきたが、あまり触れていなかった製品がある。「Atom」だ。

 Atomは、米インテルが2008年に投入した省電力プロセッサ。当初から低消費電力に最適化した設計であり、PC向けで主力のCoreプロセッサーとは内部構造が異なる。初期はPCだけだったが、その後、タブレットやスマートフォンでも利用できるようにと開発が進められてきた。

 登場当初から低価格ノートPCで採用されていたし、WindowsやAndroidのタブレットでも使われていた。スマートフォンは、中国レノボがAtom搭載モデルを出していた。現在も低価格ノートPCやタブレットではAtomを搭載した製品が多い。このほか、Atomのコアは機器への組み込みやサーバー、ネットワーク機器などで使われている。

Atomシリーズのロゴ
[画像のクリックで拡大表示]

Coreシリーズとは設計が異なり性能が低い

 Atomの特徴は消費電力が低いこと。しかし、その一方で性能も低い。2008年当時ですら、2GHz動作のAtomと600MHz動作のPentium Mの性能が大体同じという状況であった。

 当初のAtomのマイクロアーキテクチャーは、省電力にするために、PC向けの主力CPUで使われていた「スーパースカラー」(複数の命令を同時に実行する)や、「アウト・オブ・オーダー」(読み出し順とは無関係に、実行できる命令から実行する)といった、高性能化の技法を使わない設計だった。構造をシンプルにすることで回路をコンパクトにして消費電力も抑える、というポリシーだった。

 その後製造技術が進歩して、複雑な機構を入れても消費電力を増やさずに性能を高められるめどが立ったことで、インテルはAtomコアを刷新。スーパースカラーやアウト・オブ・オーダーを採用して性能の底上げを図った。それでも、主力のCoreプロセッサーやそれと同じ内部設計のPentiumやCeleronと比べて、性能が見劣るすることは否めない。

この先は会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)は12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら