一般の検索エンジンでは見つからず、「Torブラウザー」という専用ソフトからでしかアクセスできないダークWeb。海賊版ソフトウエアや違法ドラッグ、武器など、様々な違法商品が売買されている。

 ダークWebで扱われる商品のトレンドは、新たな詐欺手口を予測するのにも役立つ。また、購入者数が多ければ多いほど犯罪件数の増大が推察できる。そのため、多くのサイバー・スレット(脅威)・インテリジェンスの分析官や研究者、法執行機関はこれらの動きに注目をしているのだ。

 第2回は筆者のリサーチを基に、いくつか紹介していこう。

注目集まるヘルスケア情報

 ダークWeb上では個人情報も多く取り扱われている。その中で、近年注目を集めていたのがメディカルレコード(医療情報)だ。

 これらの情報には著名人の個人情報が含まれていることも多く、比較的高値で取り引きされていた。一般には米国や欧州のものが中心だ。最近では米国の個人情報の売買は珍しいものではないため、下図のようにデータベースそのものを売買するケースが増えている。

米ミズーリ州にある病院の4万8000人分の医療情報データベースが15ビットコイン売られている例
(出所:TheRealDeal)
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 医療情報は一時期、人気商品の一つとされていたが、最近では1人当たりの情報単価が下がっているとの報告もある。そのため、データベースを商品化するケースも散見されるようになってきている。

 個人情報の単価が下がってくると、バイヤーは抱き合わせ販売を試みる。従来の医療情報に加え、保険情報や運転免許証などを付加するわけだ。犯罪組織からすれば「オレオレ詐欺」のような特定個人になりすます詐欺を働く場合、個人の特徴情報を多く保有していたほうが有利だ。その観点では、お買い得のセット商品といえるだろう。

医療情報に加え、他の個人情報がセットで売られている例
(出所:AlphaBay Market)
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不動の人気、フリーメールアカウント

 アンダーグラウンドマーケットでいつの時代も人気なのが、フリーメールやオンラインストレージなどのサービスのユーザー認証情報だ。最近では中国の主要サービスプロバイダーのアカウント情報が売りに出され話題になった。

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