体温計や血圧計といった一般向けの健康管理製品を販売するほか、医療機器や医薬品も幅広く手がけるテルモ。そうした事業を展開する以上「そもそも社員が健康でないと恥ずかしいし、テルモが成長するには社員が健康でないといけない」(広報室の橋本淳史氏)として、2014年度から本格的に健康経営を実施している。

 同社は社内外に「健康経営方針」を発表しており、4つの分野で取り組む方針を示している。(1)喫煙率とメタボリックシンドローム対象者の減少、(2)がんの早期発見・治療・職場復帰の促進、(3)「ウィメンズヘルス」と呼ばれる女性特有の健康への課題に対する配慮、(4)社員の自発的な健康増進の取り組みの奨励――である。このうちITを活用しているのは、(1)と(4)に関係するメタボ対策だ。

脂肪を減らすには3METs以上の運動強度が必要

 同社ではメタボ対策として、社員にウオーキングを推奨している。ただ、低速の「ダラダラ歩き」を長時間続けてもメタボ対策という意味ではあまり効果が期待できない。体脂肪を減らすには、歩数とともに「運動強度」も関係してくる。運動強度で3METs(中強度)以上になるような早歩きも取り入れる必要がある。「1日に8000歩ほど歩き、うち20分間は早歩きを取り入れるのが理想」(橋本氏)という。

 そこで同社は社員に対し、歩数に加え消費カロリー、早歩きしていた分数を記録できる自社製の活動量計を配布。2015年9月から2016年6月にかけて「体温上げて健康増進」キャンペーンを実施した。キャンペーンで使用した活動量計はNFCに対応しており、社内に設置したNFCリーダーで各社員のデータを読み取って記録した。併せて、各社員が四半期に一度、1週間にわたり体温を測定。このデータも入力・蓄積していった。「体温が上がると免疫力も上がることは一般的に知られており、歩くことで体温が上がるかどうかをこのキャンペーンで検証する」(橋本氏)ため、期間中の体温の変化を「見える化」したわけだ。

東京・新宿のテルモ本社の廊下。歩幅の目安となる輪(ピッチサークル)が描かれている
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 社員はキャンペーンのWebサイトで自身の取り組みを参照できる。「1日に8000歩歩く」「健康クイズに挑戦する」といった項目をクリアすることでポイントを獲得できる仕組みだ。期間中、2200人が参加してメタボ対策に取り組んだ。このほか、健康保険組合主催のウオーキング大会を毎年春と秋に実施しており、社員と扶養家族が活動量計を持って町歩きに参加。活動量計に記録された歩数や早歩きの分数などのデータを基に、フルーツなどの景品をもらえるというものだ。

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