海外勢との激しい競争にさらされる製造業。新製品の開発スピードを高め、性能や品質も確保するために、技術系人材の獲得に熱を入れている。製造系のエンジニアが転職を成功させるためのポイントを、マイナビ 紹介事業本部 第3営業統括本部 EMC領域営業部 営業2課の鍛治本聖課長に聞いた。

(聞き手は八木 玲子=ITpro)

製造分野の技術職の求人動向は。

 私は電機電子、自動車、化学系などの分野を担当していますが、求人動向はいずれも似ています。求人は全体的に増加していますが、特に増えているのは設計エンジニアです。自動車メーカーや部品メーカーでも設計エンジニアの採用意欲が高いし、化学系ではプロセス開発や要素技術開発などで人材ニーズが高まっています。

 新製品開発のスピードに人員が追いついていない状況が背景にあります。ゼロから製品を生み出すだけでなく、法改正に伴う新製品開発も盛んに行われています。例えば自動車分野なら、排ガス規制の強化への対応のために開発が必要になります。今は、中国をはじめとする海外勢の技術発展が著しく、国内メーカーにもスピードが求められています。そのために人材が必要というわけです。

マイナビ 紹介事業本部 第3営業統括本部 EMC領域営業部 営業2課の鍛治本聖課長
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 品質管理ができるエンジニアの採用意欲も高い。海外の競合に勝つには、品質や性能の高さを強みとして保持する必要があります。2017年に品質管理をめぐる問題が複数の企業で表面化したこともあり、求人数が増えています。

 業種別では、自動車系の求人が目立ちます。中でも部品メーカーの募集増は顕著です。数十~百人規模で募集しているところもあります。

 逆に求人が減っているのは、ラインの作業員や製造オペレーターなどです。ここ半年で、急激に減少しています。高度な製造機械の導入やAI(人工知能)の活用などによる自動化が進んで、以前のように人手がかからなくなっているからです。

転職を成功させるためのポイントは。

 会話力があり、周囲とコミュニケーションできるエンジニアが成功しやすいでしょう。技術力はもちろん重要ですが、プロジェクトを進めるために社内外の様々な人と交渉したり、進捗管理をしたりするにはコミュニケーションが不可欠です。現場の技術者の意識を保ちつつ、人のマネジメントもできる人は、転職で地位や年収が向上する確率が高いといえます。

 英語力も武器になります。製造業は海外展開が進んでいて、海外売上高が全体の半分を占めていたり、中には売り上げの9割が海外という企業もあります。こうしたところは、「TOEICの点数が600点以上」のような昇格条件を設けています。この動きは、ここ1年で特に進んでいます。特に若手に英語力を求めるところが多いですね。

 35歳以上のミドル層は、若手に比べれば英語力は要求されていません。ミドル層で重視されるのは、「現場での経験をたくさん積んできたか、具体的にどんなプロジェクトにかかわってきたか」です。チームとしてでなく、「その中であなた自身がどんな役割を果たしたか」を問われます。

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