パソコンやスマートフォンからインターネットにアクセスするとき、最も頻繁に利用するアプリの一つがWebブラウザーだ。

 WebブラウザーはもともとWebページを閲覧するためのアプリだが、今では様々な用途に使われている。FacebookやTwitterといったSNSを利用したり、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureといったクラウドサービスでサーバーやネットワークを構築してプログラムを開発したりすることもできる。

 メール・表計算・資料作成といったOS上でできる作業のほとんどはWebブラウザー上でできる。読者の皆さんもWebブラウザーに触れない日はないはずだ。この特集では、基本的な仕組みから高速化の工夫や最新技術まで、Webブラウザーを徹底解剖する。

トップが入れ替わる激しい競争

 まずはWebブラウザーの歴史をひもときつつ、現在の主要な製品を確認しよう。

Webブラウザーの歴史
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 初めて研究者以外の一般ユーザーに広く使われたWebブラウザーは、米国のNCSAが開発して公開したNCSA Mosaicだ。その後、Mosaicを開発した学生らが起こした会社が開発したNetscape Navigatorが人気を博し、Web普及のきっかけとなった。

 ちなみに、筆者が最初に触ったWebブラウザーはMosaicだった。同時期にNetscape Navigatorにも接した。大学の計算機室に置かれていたパソコンを使って、Webブラウザーから触れるインターネットの世界に感動した思い出がある。

 1995年には米マイクロソフトがInternet Explorer(IE)で参入し、圧倒的なシェアを獲得した。2008年にはWeb検索大手の米グーグルがGoogle Chromeを市場に投入、2012年にIEを抜いてトップシェアとなった。

 当初Webブラウザーはパソコン向けが中心だったが、今ではスマートフォンでの利用も当たり前になった。主要ベンダーはパソコン向けと併せてモバイル向けのWebブラウザーも提供している。ベンダーがOSやデバイスの垣根を越えて提供することも増えた。例えば、マイクロソフトは最新WebブラウザーのMicrosoft EdgeをAndroidやiOSに提供する。10年前には考えられなかった状況だ。

 現在のWebブラウザーの国内シェアを確認してみよう。パソコンではChrome、スマートフォンではSafariの独壇場だ。

Webブラウザーの国内シェア
Webアクセス解析サービス「StatCounter」のデータに基づいて作成した。2016年11月~2017年11月のアクセス数の合計を比較している。
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 パソコン向けでは、Chromeが後発のWebブラウザーにもかかわらず多くのユーザーを増やしていった。シェア拡大の理由として、「Google」というブランド力もあっただろうが、それ以上に高速な表示、アドオンを使った機能の追加、GmailやYouTubeといったグーグルのサービスのいち早いHTML5対応、開発者向けツールの充実、といった点が大きいと考えている。

 モバイルではSafariのシェアが高い。日本国内ではiPhoneのユーザーが非常に多く、結果としてiOS標準ブラウザーのSafariのシェアを伸ばしている。

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