全社を挙げてデータ分析の強化を掲げるヤフー。第2回で紹介した志立正嗣執行役員が率いるデータ&サイエンスソリューション統括本部の中で、社内外で注目を集めているデータサイエンティストの一人が、同統括本部サイエンス本部エンジニアの山下直晃氏である(写真1)。画像分析に焦点を当てた研究を進めており、「AI(人工知能)など最新の技術を生かしながら、画像にかかわる課題を解決したい」と話す。

写真1●ヤフーのデータ&サイエンスソリューション統括本部サイエンス本部エンジニアの山下直晃氏
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 山下氏の研究成果は、ニュース画像の自動切り抜きなどの形で実用化され、ヤフーのサービスを支えている。山下氏は、米カリフォルニア大学バークレー校が中心となって開発された深層学習(ディープラーニング)フレームワーク「Caffe」の扱いにも精通。社内におけるCaffeの活用拡大の先導役になっている。

 ヤフーは、社員が研究開発の成果を対外発表することを奨励している(第1回)。山下氏も、自社主催イベント「Deep Learning Tokyo 2016」や、電子情報通信学会などが主催する画像認識分野のシンポジウム「MIRU2016」などの場で対外発表をこなしてきた。

画像の自動認識を研究

 山下氏が特に注力しているのが、画像の自動認識の精度向上だ。例えば、「Yahoo! ニュース」では、日々大量のニュース画像を扱う。ニュース記事として配信する際には、写真のうち重要な部分を切り抜いて、内容を端的に示す「サムネイル画像」を作成する必要がある。

 人が切り抜けば、重要な部分の判断に間違いは出にくいものの、作業に時間がかかる。横縦比が1対1、2対1、4対3など、アプリやWebページの仕様に応じて切り抜く作業の負担も高まっていた。そこで山下氏は画像を解析し、重要な部分を自動的に切り抜く技術を開発。既に実サービスでの利用が始まっている。

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