企業が今、必要としている人材は「主体的にビジネスを創造していく人」だ。他の役目は、人件費の抑制につながるので外部の人材に任せる方が得策という考えが一般化している。

 最近では、人工知能による機械化も進んでいる。例えば、三井住友銀行やみずほ銀行は米IBMの質問応答システム「Watson」を採用している。既に検証を終え、部分的に導入を開始。Watsonは機械学習や自然言語処理の技術によって、コールセンターに寄せられる質問に対する適切な(確信度の高い)回答候補を、オペレーターの画面に自動表示する。三井住友銀行では将来、Watsonを融資業務の「参謀」役などコールセンター以外の業務にも適用する構想を練っている。

 しかし、人工知能には推論力こそあれ、創造力はない。したがって「主体的にビジネスを創造していく人」には、機械化は恐れる対象ではなく援軍である。

リーダーに必要不可欠な三つの資質

 一昔前は、面倒だからリーダーになるのを嫌がるITエンジニアが相当数いた。しかし、もはやそんなことを言っていられる時代ではない。1人では主体的にビジネスを創造できない。求められる人材として力を振るうには、リーダーとなって人材を集め、組織をマネジメントするしかない。

 ゴールに至るまでには、乗り越えるべきハードルが待ち構えている。メンバーをけん引する力や達成への強い意志が必要になる。そうした困難をものともしないリーダーになるしかない。

 リーダーになるために必要な知見やスキルは一朝一夕で身に付くものではない。5~10年の長いスパンでとらえる必要がある。若い人ほどチャンスが大きい。しかし、ベテランだからといって、あきらめないでほしい。既に蓄積があるのだから、足りない部分を認識して補い、既存スキルに一層の磨きをかければ、チャンスは大いにある。

 以下ではまず、リーダーになるには何を学ぶべきかという「What」について説明する。この設定が不適切だと、たとえリーダーに任命されたとしても、チャンスをうまく生かせないことが多い。逆にリーダーとして成功している人はWhatが明確で、その知識が頭の引き出しにしっかり収まっている。

他人が持っていない「何か」を持て

 リーダーにとって大切な資質は何かと問われたら、筆者は「知恵」「バランス」「強い意志」の三つを挙げる(図1)。これらについて順に説明していく。

図1●リーダーに不可欠な三つの資質
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