一部のMVNO事業者が目指しているのが「フルMVNO」だ。フルMVNOとは、これまでの枠を超えた新しい形のMVNOを実現しようという構想を指す言葉である。

データ通信しか提供していない

 ユーザーから見ると、同じような機能を提供しているように思えるMVNOとキャリアだが、実は大きな違いがある。現在のMVNOは、キャリアが提供している機能のうち「データ通信」というインターネットに接続するゲートウエイ部分だけを代わりに提供しているに過ぎない。

MVNOが提供できるのは限られた機能のみ
「フルMVNO」では、SIMの発行や契約情報管理といった機能もMVNOに移管するので、より柔軟性の高いサービスを提供できる
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 キャリアだけが持つ、その他の機能も提供することで実現できるサービスを増やそうというのがフルMVNOの考え方だ。特に重要なのは、加入者を管理する「契約情報管理」機能を持つことである。

 端末を起動すると、まずSIMに記録してある情報を基に周囲の基地局を探して、モバイルネットワークを利用するための認証を受ける。MVNOを利用している場合、現在はキャリアが発行したSIMをユーザーに渡しているので、まず接続先のキャリアが持つ「HLR/HSS」というサーバーで認証を受ける必要がある。その認証が通ってから、MVNOのネットワークに転送されて、改めてMVNOでの契約状態を確認するという流れになる。

従来のMVNOとフルMVNOの違い
フルMVNOになると自社のSIMカードを発行でき、顧客の契約情報も自社のデータベースで管理できる
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 だが、MVNO自身で契約情報管理機能を持つようになれば、基地局に接続した後に、キャリアではなくMVNOのHLR/HSSが直接認証する流れになる。つまり、基地局からMVNOのネットワークに接続するまでの、足回り部分だけをキャリアから借りることになる。

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