「AI詐欺」が横行する日本のIT業界。AIブームのウソとホントに斬り込む連載の第8回では、人事関連の業務におけるAI活用の可能性について述べる。米国ではAIを組み込んだ関連サービスを提供するHRテック企業が多数登場し、「人事部不要論」までささやかれている。一見、人材採用や育成で“客観的な”AIの活用は極めて有効に映るが、あなたはAIによる監視や人事査定を受け入れることができるだろうか。

 「HRテック」という言葉が一昨年あたりから使われ始めた。最先端のITを使って、採用、育成、評価、配置などの人事関連業務を行うことを指す。その中でAI技術が使われ、将来的には「人事部がAIになる」話まで現れた。あなたの会社の人事部はAIで置き換わるだろうか。

 HRテックとは、人材を表すHuman ResourceとTechnologyを掛け合わせた造語だ。人材に関係するデータを解析し、AIなどの技術を使用して企業の人事関連業務を支援するサービスのことを指す。金融とITを掛け合わせた「フィンテック(FinTech)」、教育とITの「エドテック」、農業とITの「アグリテック」と同様に新たなバズワードとして使われている。

 この1~2年間で、HRテック市場は急速に拡大したと言われている。その範囲には採用、労務管理、タレントマネジメント、人材育成、配置など幅広い領域が含まれる。日本では一昨年あたりから一つの市場として認識されるようになった。米国では、関連ソフトウアだけで150億ドル以上の市場規模となっており()、企業価値が10億ドルを超える、いわゆるユニコーン企業も出現している。

図●HRテック市場の成長
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 HRテックは、採用プロセス管理から入社後の業績管理までをサポートする。入社前の人材については過去の学歴・職歴、面接での受け答えなどを記録する。入社した後も、業績や意識に関するデータを広く収集して本人の適性を分析し、能力アップや業務生産性向上に向けた新たな可能性の発見に活用する。

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