東京オリンピック・パラリンピックが開催され、多くの外国人の訪日が予想される2020年。スマートフォンを手に入国ゲートをくぐる人もたくさんいるはずだが、全員がスマートフォン向けの決済サービスを使えるわけではない。

 こうした人たちも利用できそうな、スマートフォン以外の機器や生体認証を用いた新しい決済を模索する取り組みが進んでいる。

スマホいらず、生体認証で決済

 経済産業省は、様々な事業者や地域が連携し、高度で先進的なサービスや決済などを訪日外国人に提供する仕組み「おもてなしプラットフォーム」の構築に向け実証実験を進めている。実験場所は関東、関西、九州の3カ所で、実験内容はそれぞれで異なる。ここでは、実験内容に決済を含む関東と関西について紹介しよう。

 関東と関西はいずれも、生体認証による決済を実験している。おもてなしプラットフォームの構築に取り組んでいるデロイト トーマツ コンサルティングの荻生泰之執行役員は、生体認証による決済のメリットを、「一人ひとりに唯一の情報でありごまかしにくいこと、体の一部なので認証用の機器を必要としないこと」と説明する。

 関東の実証実験は、JTBコーポレートセールスが中心となり、箱根と湯河原などの温泉地を中心に実施している。デロイト トーマツ コンサルティングの平林知高シニアコンサルタントは、「温泉では財布を持てないこともある。そうした場所でコーヒー牛乳を飲みたいような場合に、指紋認証による決済は向いている」と話す。

 この実証実験では指紋認証を使って、手ぶらで決済できるか、宿泊施設にチェックインできるかなどを試す。指紋認証技術を持つLiquidなどが参加し、参加店に指紋認証専用端末を配布して実験している。

写真1●箱根や湯河原での実証実験で使われている指紋認証装置
(出所:Liquid)
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