小売業のデジタルマーケティングにとってもはや欠かせないスマートフォンアプリ。主に店舗にいない顧客との接点を増やす手段として利用されている。だが逆に、実店舗の価値を高めるためにアプリを活用しようとする動きも活発化している。

 「このCDは、6階にあるのか」。スマートフォンアプリに表示された位置情報を頼りに店内を歩いていると、「新作CDをご試聴いただけます」とのメッセージが画面に表れた(写真1)。「ここでしか聴けないから、試聴してみようか」。再生ボタンを押し、未知の音楽との出合いを楽しむ――。

写真1●「HMV&BOOKS TOKYO」の店舗内で表示される、試聴案内のメッセージ
(撮影:木村輝、以下同じ。写真6を除く)
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 東京・渋谷の商業ビル内にある「HMV&BOOKS TOKYO」。ローソンHMVエンタテイメントが2015年11月にオープンした新型店舗で、音楽や映像に加え、書籍や雑貨など多様な商品を扱う。設置した約150台のビーコンを活用し、“店内限定機能”をスマートフォンアプリで提供する(写真2)。

写真2●CD/DVDや書籍などをそろえる「HMV&BOOKS TOKYO」。天井にビーコン端末が取り付けられている
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実店舗ならではの体験を演出

 「CDや本を買うだけなら、ネットでもできる。実店舗には、“新たな発見がある”“何かを体験できる”といったことが求められている」。こう話すのは、ローソンHMVエンタテイメント エンタメコンテンツグループ HMV&BOOKS事業本部 田代貴之統括プロデューサー。EC(電子商取引)の広がりで、実店舗には変化が迫られている。そこに足を運ばなければ得られない体験を演出することで、実店舗ならではの特色を打ち出す必要がある。

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