日立製作所の2016年4~9月期の連結決算は、減収減益だった。売上高を引き下げたのは最大の要因は円高。2000億円を計上した。このほか、日立物流の非連結化が1420億円、空調事業の再編が390億円の減収要因となった。

 「情報・通信システム」部門を見ると、2016年4~9月期は減収増益となっている。売上高は前年同期比7.3%減で9270億円。円高の影響と、海外向けATM(現金自動預け払い機)の販売減が響いた。営業利益は、同11.4%増の556億円。通信ネットワーク事業で進めてきた事業構造改革の効果が見られた。

 10月28日に開かれた決算会見で、日立製作所の西山光秋執行役専務CFO(最高財務責任者)は「メガバンク向けやマイナンバー関連のSI案件の需要は強い」と話した。金融や公共分野では、大型案件が見られた前年度に比べて減少したものの、国内のIT投資は堅調に推移しているとの見通しだ。

西山光秋執行役専務 CFO
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「まずまずの結果」「堅調に推移」

 情報・通信システム部門の4~9月期の業績を踏まえて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮本武郎 エクイティリサーチ部 エクイティリサーチ課 シニアアナリストは「業績はまずまずの結果。円高の影響をのぞけば3%の伸びだ」と総括する。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮本武郎 エクイティリサーチ部 エクイティリサーチ課 シニアアナリスト
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 野村証券 グローバル・リサーチ本部 エクイティ・リサーチ部 エレクトロニクス・チーム・ヘッドの山崎雅也マネージング・ディレクターは「国内はSI事業を中心に堅調に推移した。構造改革への取り組みは評価できる」とする。

 ガートナー ジャパンの片山博之 リサーチ部門 ソーシング&ITマネジメント リサーチ ディレクターは「堅調に推移している。ハード事業が不調でも、SIでカバーしている」と評価する一方、「IoT(インターネット・オブ・シングズ)プラットフォームLumada関連の事業の不透明感が大きすぎる」と指摘する。

 企業の格付け調査会社であるスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン(S&Pグローバル) 事業法人格付部の天野待知子 上席アナリストは「収益性は安定しているが、営業利益率10%に到達しておらず、すごく良かったとは言えない」とする。

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