意見が出ず、結論になかなか近づかず、ダラダラ続くだけの「グダグダ会議」。治療の処方箋を会議の達人に聞く本連載。第2回は脱線だらけの「迷走会議」と、終わりが見えない「エンドレス会議」の治療法に迫る。

【ダメな例】「集中しろ!」と怒鳴る

 「ウチの会議はダラダラしているというか、いつも長いと感じるんだよな。集中してやれば、早く終わるはずなのに、すぐに話が脱線するし。だからよく『集中しろ!』と言うんだけれど、全然ダメ。やれやれ、困ったもんだ」。上司のため息が聞こえてくる。

 実はその横で部下は全く別のことを考えている。「課長は結局、何を決めたいんだろうか?集中しろって言うけれど、何に集中すればいいんだよ。早く終わりにして“仕事”に戻りたいのに、雑談に付き合っている暇はないんですけど」

 上司と部下の悲しいスレ違いだ。両者とも早く終わりたいと思っているのに、なぜこんなことになるのか。誰も望んでいないのに、なぜ会議がダラダラと長引くのか。

 部下も心の中でつぶやいているが、原因は明快だ。この会議は「何がどうなったら終わるのか」がはっきりとしていないのである。

 「定刻になりましたので、会議を始めます。まずはお手元の資料をご覧ください」とか、「みんなそろったな? 集まってもらったのは、先日発生した問題について意見を聞かせてもらうためだ。A君はどう思う?」。こんな始まり方の会議は完全にアウト。なぜなら、どちらも「どうなったらこの会議は終わるのか」が、さっぱり分からないからだ。

 上司は「意見を聞かせてもらいたい」と言っているが、どうなったら会議終了といえるのだろうか。どうなったら終わるのかが分からないまま議論するのは、試合には勝ちたいけれども、ルールを知らないまま、ひたすらボールを追いかけている状態と同じだ。

 だから当社では「会議の終了状態を意識せよ!」といつも言っている。「どうなったら会議終了といえるのか」を参加者全員が意識できていなければ、当然ダラダラした会議になる。

【処方箋3】終了条件を確認する

 会議を始めるときには「会議のゴール」≒「終了条件」を最初に確認する。会議の教科書にはよく「目的を明らかにせよ」と書いてあるが、これはお勧めしない。「共有することが目的だ」「議論することが目的だ」と、「すること」を目的に挙げる人が圧倒的に多いからだ。これは不適当である。

 ゴールは常に「状態」で考えるといい。どうなったら会議が終われるのかを考えるのだ。

 そもそも我々は、何らかの状態の変化を起こすために会議をしているはず。散々会議をやったけれども、やる前とやった後では何も変わらなかった。こんな会議はあり得ないだろう。

 会議をすることでどういう状態に変化できればいいのか。どういう状態を作り出せばいいのかを考える必要がある。そのためには「終了状態」を考えると、的確なゴールを設定しやすくなる。

 上司は 「今日は課題を議論するぞ」ではなく、 「大小問わず、参加者が感じている課題が全て出切った状態を作るぞ」と冒頭で宣言すればいい。「まずは説明資料を見てくれ」ではなく、「新商品の概要をお客様に説明できる状態になってもらいたい」と宣言するのだ。

 こんなふうに終了条件が明確に設定されることで、参加者は自然と終了条件に合致する状態を作り出そうと思うようになり、参加者のベクトルがそろう。

 逆に終了条件が不明確だと、何をどのくらい議論すればよいのかが分からないから、みんなが好き勝手に話し始める。だから議論が発散する。終了条件をうまく設定できれば、それだけで密度の濃い会議を作れるだろう。

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