パソコンを使ったオフィスワークの定型業務を、コンピュータソフトのロボットに肩代わりさせて自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。人材確保が難しくなるなか、オフィス人材の有効活用を促す策として注目を集めている。今回はその仕組みを解説しよう。

 RPAの開発面での特徴は、プログラミングが不要なこと。オフィスワーカーがパソコンで処理していく手順をいったん覚え込ませれば、ソフトウエアロボットがその手順を繰り返し再現できるようにしている。

 RPAテクノロジーズ(東京・港)が提供するRPA専用ソフト「BizRobo!」では、設定画面で操作したいシステムやウェブサイトの画面を開き、「ボタンをクリック」「データの抽出」といった操作内容を指定していく。これを複数のシステムにわたって行い、一連の処理手順として登録。するとその流れに沿って、ロボットが処理を実行する。

●RPAはパソコンユーザーの処理手順を自動で再現する
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エクセルのマクロに似た仕組み

 これは、表計算ソフトのエクセルなどにある、操作の自動記録と再現の仕組みを持つ「マクロ」に似ている。RPA専用ソフトは、エクセルに限らず、ウェブアプリケーションやメールソフトなどに対する操作も自動記録と再現の対象に拡大させている点が新しい。

 一般に、他のソフトが、ウェブアプリケーションを操作できるようにするためには作り込みが必要だ。アプリケーションの開発段階で、外部から利用する仕組みであるAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を用意しておかなくてはいけない。

 BizRobo!は、システム同士がAPIを介して連携するのではなく、パソコンの操作画面上で、人間と同じ処理をロボットが自動で行う仕組みを組み込んでいる。だからAPIを用意していないウェブアプリケーションも自動で操作できるわけだ。

 プログラミングなしで処理手順の登録ができるので、開発作業も効率化できる。日本生命のBizRobo!を使ったロボットの開発作業は、グループ会社のニッセイ情報テクノロジーが担当している。

 

 「従来の開発のやり方と比べると、数分の1のコストで済む」と、日本生命の大岩根誠金融法人契約部金融法人事務開発G専門課長は明かす。「現場に煩雑な事務処理があっても、これまではコストがかさむためシステム化を見合わせ、手作業を続けるケースが少なくなかった。今後は、RPAで代替できそうだ」と続ける。

 RPAを実現するソフト製品は、英ブループリズムや米オートメーション・エニイホェア、日本のRPAテクノロジーズといったベンダーが提供している。

主なRPA関連ソフト
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 RPAテクノロジーズの大角暢之代表取締役社長は「開発した当初は、雇用を減らす技術とみなされ、なかなか受け入れられなかった」と話す。

 ところが労働人口が減少し、人手不足が深刻になるにつれ、「現場にいる人材でこれまで以上に効率よくオフィスワークを進める必要性が高まり、RPAに関心が集まるようになってきた」(大角社長)。

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