インダストリー4.0への関心の高まりもあり、2015年に大きくブレークした「IoT(Internet of Things)」。企業の中にIoT専門部署が発足するケースが相次いでいる。このような動きを受けて通信事業者もIoTビジネスに本腰を入れ、手軽にIoTを試せる環境が訪れてきた。6社の先行事例を分析しながら、IoTビジネスの成功への道を探る。

実例5:パルコ
店舗の見える化を低コストでスピーディーに実現

 ここまでの実例で分かるように、投資対効果を左右する最も大きな要因は通信コストだ。大阪ガスとソニー損保は通信コストをゼロにすることでIoT化を実現したが、ソラコムのような新興プレーヤーのSIMを用いて通信コストを抑え、IoT化を進める企業も登場している。

 パルコは、ソラコムのSIMを用いて店舗のIoT化を進めている一社だ。2016年3月から池袋PARCOの屋上に、気温や雨量、湿度を計測できるセンサーを設置。ソラコムのSIMを用いて社員が手作りで構築した。「センサー類を合わせても数千円で済んでいる」と同社WEB/マーケティング部の伊藤健氏は語る。

 同社の目的は、スマホのアプリとリアル店舗のセンサー情報を用いて、来店者の購買に至るまでの相関関係を分析すること(図8)。「クラウドや通信、センサーが安価になり、数年前では難しかった取り組みも低コストでスピーディーに取り組めるようになってきた」と同社の林直孝 執行役 WEB/マーケティング部、メディアコミュニケーション部担当は、環境変化のメリットを強調する。

図8●店舗内を見える化
店舗内に各種センサーを設置するパルコの取り組みである。Web上の来店者の行動履歴と掛け合わせて相関関係を分析し、接客強化を目指す。
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