商品をつかんでピッキングする作業そのものをロボットに任せる試みが始まっている。まだ実用化の一歩手前だが、「人並み」に動かすための技術革新が進んでいる。


 消費者向けECサイト「LOHACO」で、1時間単位で配送時刻を指定できるなどのサービスを拡充するアスクル。物流センターでは最短20分で出荷し、ジャスト・イン・タイムの配送を支える。

 自動化が進むなか、人手の作業が最も多く残っているのがピッキングだ。「物流センターで働く人の作業の6割がピッキング。ロボットでその4割を代替できるとみている」(池田和幸執行役員ECR本部統括部長)。

アスクルはアーム型ロボットでピッキング自動化を目指す
[画像のクリックで拡大表示]

 その期待を担うロボット2台が今、埼玉・所沢の「ASKUL Logi PARK首都圏」で試験稼働している。2016年6月末の記者説明会では、アーム型のロボットが、トレーに入っている商品をつかみ、別のトレーに移す様子を公開した。

画像認識し最適移動経路を算出

移動時間の短いピッキングラインに適用予定
[画像のクリックで拡大表示]

 アスクルが扱う商品は100万アイテムを超える。倉庫から運ばれてきたトレーから、出荷指示に沿ってピッキングすべき商品を取り出し、出荷用のトレーに丁寧に詰め込む作業はこれまで、人でなくては難しいと考えられてきた。アスクルはこの難題に取り組むに当たり、ロボットベンチャーのMUJIN(東京・文京)と業務提携し、共同で技術開発や検証を進めている。

 MUJINが提供するのはロボットを制御するコントローラーだ。膨大な種類の商品に対応するため、あらかじめアームの移動軌道をプログラムするのではなく、画像情報に基づいて、自律的に生成する。

 ロボットの上部3カ所に3Dビジョンセンサーを設置し、まずは倉庫から運ばれてきたトレーの状況を把握。データベースに登録された商品情報に基づき、ピッキングすべき商品をつかむ。同時に出荷用のトレーの空きスペースも把握して、商品を詰め合わせる。次に倉庫から届くトレーの画像も参照し、アームが最も効率的に移動できるように動作プログラムを自動生成する。

 現時点では箱状の商品しかつかむことができないため、今後「ハンド」の部分を改善し、パウチなど多様な形状の商品をつかめるようにしていく。成果をにらみながら、2016年中には「ASKUL Logi PARK横浜」で数台、2017年に開設する「同関西」では数十台を導入する予定。ロボットへの投資は、生産性の向上などで1年半で回収できると見込む。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら