LINEのMVNO(仮想移動体通信事業者)サービス「LINEモバイル」が9月21日、いよいよ正式スタートした。最大の売りとするのが、LINEやFacebook、Twitterなど、特定のアプリケーションのパケット通信量をカウントしない「カウントフリー」だ(写真1)。

写真1●LINEモバイルは特定のアプリケーションのトラフィック量をカウントしない「カウントフリー」を最大の売りとしてMVNO事業に参入した
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 LINEのMVNO事業を展開するLINEモバイルの嘉戸彩乃社長は、「ネットワークとコンテンツを連携することで、ユーザーに対する価値を上げていくこと」とLINEモバイルのサービスの狙いについて語る。

 これまでのMVNOサービスは、いわゆる格安スマホとして、携帯電話大手3社と比べて圧倒的に安いコストパフォーマンスを売りに市場を切り開いてきた。だがここに来て、MVNO市場に参入する事業者は2016年6月末時点で580社まで増え、事業者間の競争は激しさを増している。加えて、携帯電話大手3社も、サブブランドの展開や低価格プランの導入などを相次いで進め、格安スマホ対策へ本腰を入れ始めている。MVNO各社にとって、脱・格安の鉱脈を見いだすことが目前に迫った課題となっている。

 脱・格安スマホを目指すMVNOの間で、昨今、急速に注目を集めているのが、LINEモバイルのように、特定のアプリケーションのパケット通信量をカウントしないサービスだ。これらのサービスは「カウントフリー」や「ゼロレーティング」「スポンサードデータ」など様々な名称があるが、本記事ではゼロレーティングという名称で統一しよう。

 海外では米T-モバイルUSなど大手携帯電話事業者の取り組みが有名だ。国内のMVNOでは、カメラのキタムラが2015年6月に開始した自社アプリの利用を非課金とする「写真ホーダイSIM」が先駆けだろう。その後、プラスワン・マーケティングのMVNOサービス「FREETEl SIM」がLINEなどSNSを非課金とするサービスを投入している(写真2)。ビッグローブも11月から、BIGLOBE SIMにおいて、Abema TVやYouTubeなど動画を含むトラフィック量をカウントしない「エンタメフリー・オプション」の提供を開始する。

写真2●FREETELのブランド名でMVNOサービスも展開するプラス・ワンマーケティングも、特定のアプリケーションのトラフィック量をカウントしないゼロレーティングを展開する
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 これらゼロレーティングは、日常欠かせないアプリケーションのトラフィック量をカウントしないケースが多く、ユーザーにとって大きな魅力を感じるだろう。

 プラスワン・マーケティングの増田薫代表取締役は、「世界的に見ても通信サービスは一律で1Gバイト当たりいくらという売り方だが、絶対に違う。毎週土日に山に行く人と、海に行く人では行動様式が違う。山に行く人向けに山専門のお店が存在するように、人のニーズに合ったサービスを提供したい」と語る。ネットワークとコンテンツを密接に連携することで、“無色透明”なネットワークサービスに、用途ごとの“彩り”を加えることができる。これはMVNOにとっても単なる価格競争を回避する大きな鉱脈となる。

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