今回紹介する書籍『IoTビジネスをなぜ始めるのか?』は、技術に強くないビジネスパーソン向けに書かれていますが、技術に強いITエンジニアも読むべき本だと思います。なぜなら、技術からビジネスを生み出す術が書かれており、それは今のITエンジニアが身につけなければならないスキルだからです。ITエンジニアに自信をもってお薦めできる書籍『IoTビジネスをなぜ始めるのか?』の「はじめに」を、ぜひお読みください。(松山貴之=日経BP社 コンピュータ・ネットワーク局 ネット事業プロデューサー)

 少子高齢化、地球資源の枯渇、新興国の台頭など、ビジネス環境はますます厳しくなっており、多くの企業では「新事業」に挑戦しています。ただ、新事業の成功は困難を極めることが多く、そのミッションを担っているビジネスパーソンが藁(わら)にもすがる思いで周りを見渡すと、「IT(InformationTechnology:情報技術)」がいつもキラキラと輝いている。そのような状態がここ十数年続いているように思います。

 ITを活用しようとすると、その鍵となる「技術」を学ぶ必要があると思いがちです。

 『技術』。

 どうもビジネスパーソンはこの言葉に成功の鍵を託したがる傾向があります。確かに、ある種の技術によって今までできなかったことができるようになる場面はたくさんあります。ですが、IT でビジネスを成功させている多くの人々を見てみると、技術そのものの習得を優先するのではなく、技術で解決できることは何かをハッキリさせて効果的に技術を使いこなしている人が成功しているように思えます。

 技術そのものを学ぶにはいわゆる理科系の基礎知識が必要になりますが、技術が何を解決しているのかを知るには特別な前提知識は不要です。一つのアプローチは他社事例の分析です。ただ、他社事例ばかりを調べていても、「自社が直面しているビジネス課題とまったく同じ状況でない限り参考にならない」と思っている人も多いのではないでしょうか。

 書籍『IoTビジネスをなぜ始めるのか?』はこのような悩みを抱えるビジネスパーソンに向けた本です。流行のキーワードや技術を解説するというより、一段高いところに立って、そのキーワードや技術が解決している課題や得られる効果がどのような特徴や方向性を持っているのかを明らかにします。そうすることで、課題に直面しているビジネスパーソンの課題解決の一助となるだけでなく、結果的にそのキーワードや技術のけん引者になることを意識して企画しました。

 この本で取り上げるテーマは「IoT(インターネット・オブ・シングズ)」です。「モノのインターネット」ともいわれるキーワードで、IT 専門誌だけでなく、昨今ではテレビや一般紙(誌)でも頻繁に使われる言葉です。この分野は応用範囲が広く、今後、多くのビジネスパーソンがこのキーワードに関わる仕事をすることになるでしょう。

 IT キーワードはこれからも次々と登場します。そこで、1章では「IT キーワードとの付き合い方」をまとめました。そこでは、今後も次々と出現するであろうITキーワードを自分自身の武器とするための方法論を示します。IT は多くの資源や人手が無くとも大きなビジネス効果を生み出すことができる技術です。次々と生まれる新たなキーワードに惑わされることなく、世界で常に最新、最良な成功事例を生み出すことに書籍『IoTビジネスをなぜ始めるのか?』が役立てば幸いです。

IoTビジネスをなぜ始めるのか?
工学院大学 三木良雄

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これまでご紹介した本

出典:書籍『IoTビジネスをなぜ始めるのか?』の「はじめに」を再編集
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。