撮影:陶山 勉
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 お笑い芸人であり、絵本作家のキングコング西野亮廣氏。現在、西野氏はクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で自身の絵本「えんとつ町のプペル」の個展を開催するための資金を募集した。目標金額は当初180万円を設定していたが、結局は6257人から4637万3152円を調達することに成功した。

 西野氏がクラウドファンディングで資金を集めたのは今回が初めてではない。米ニューヨークの個展開催時や、絵本「えんとつ町のプペル」の制作費用でもクラウドファンディングを活用しており、どのプロジェクトにおいても目標で設定した金額以上の資金調達に成功している。

 『えんとつ町のプペル』の売れ行きもすさまじい。発売から6日経った10月26日時点でもAmazonの書籍全体で1位をキープし続けている。既に増刷も決定しており、絵本として記録的な売り上げになるのは必至だ。

 だが、西野氏にはもう一つの顔がある。発言や行動に対して、よく“炎上”するのだ。インターネットの光と影、正と負を西野氏はどうとらえているのか、話を聞いた。

(聞き手は原 隆=日経FinTech


※インタビューの第1回はこちら。

絵本の分業制、看板広告の代わりに音楽を作る発想。どこからモチベーションが出てくるのでしょうか。

 小学生のころから理科の実験が好きでした。これとこれを組み合わせてやったら、どうなるんだろう。とにかく一回はやってみたい。それで失敗だったら、また反省してやり直す。

 今の時代は、こうしたチャレンジができる時代にあると思っているんです。10年前だったらできなかったかもしれない。クラウドソーシングだって、クラウドファンディングだって、今のような状態ではなかった。今回の絵本の分業制は、まさに二つのプラットフォームがなければ挑戦すらし得なかった。分業制で絵本が作れる元年に立ち会っている、ならば手を挙げておきたいでしょう?

クラウドファンディングを最初に実施したのは2013年1月と早いですね。

 1カ月後にニューヨークで個展を開くと決めて動き始めたんですが、時間がない。ちょうどクラウドファンディングが始まったという話を聞いて、やってみようと思ったのがきっかけです。

 でも、僕はもともとクラウドファンディングに対してうがった見方をしていました。ファンからお金を巻き上げるようなイメージを持っていたんです。でも、やってもいないことを決めつけてしまうのはどうなんだろうとも思いました。まずは良しあしを判断するにもいい機会だなと。

 やってみると意識が変わりましたね。まず、お笑いライブももともと同じだなと。まだ見ない商品をお客さんに買わせている。世の中のエンターテインメントは基本的に予約販売です。クラウドファンディングはお金を集めるというよりも、むしろ本分は「共犯者を増やす場」だなと思いました。企画を立ち上げても、回らなければ意味がありません。会社を起業しても回らなければ意味がない。そういうときに一緒に頑張っていこうというファンがいないと、つまり共犯者がいないと、決して回すことはできないんです。

 少額でも支援していただいた方はプロジェクトを最後まで見届けてくださいます。単に資金を集めるだけならどこかの社長を口説いてお金出してもらう方が手っ取り早い。でも、それでは社長一人しかファンを獲得していない。クラウドファンディングの本質はファンを作る場だということが分かりました。

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