撮影:陶山 勉
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 お笑い芸人であり、絵本作家のキングコング西野亮廣氏。西野氏はクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で自身の絵本『えんとつ町のプペル』の個展を開催するための資金募集を9月7日にスタート。目標金額を当初180万円に設定していたが、10月25日の期限までに4000万円を超える金額を集めた。

 西野氏がクラウドファンディングで資金を集めたのは今回が初めてではない。米ニューヨークの個展開催時や、絵本「えんとつ町のプペル」の制作費用でもクラウドファンディングを活用しており、どのプロジェクトにおいても目標で設定した金額以上の資金調達に成功している。

 『えんとつ町のプペル』の売れ行きもすさまじい。10月25日時点でAmazonで書籍全体の1位を記録している。

 だが、西野氏にはもう一つの顔がある。発言や行動に対して、よく“炎上”するのだ。インターネットの光と影、正と負を西野氏はどうとらえているのか、話を聞いた。

(聞き手は原 隆=日経FinTech


10月21日に『えんとつ町のプペル』という絵本を発売しました。

 構想に4年を費やしました。ストーリーを思いつき、絵本を作ろうと思っていたのですが、いったん世の中に出版してしまうと書き換えることはできない。そこで、2012年にサンリオピューロランドの場をお借りして同名の舞台をやりました。お客さんの反応を見て、それから書き直し。ようやく一冊の本を作れる状態になりました。

 これまで絵本を3冊、出版しています。今回も同じように絵を描き始めたんです。3カ月をかけて2枚ほどまず絵を描き終えたちょうどその頃、あるイラスト特化型のクラウドソーシングの代表の方にお会いする機会がありました。すごく気持ちのいい方で、いつかこの人と一緒に仕事してみたいなと思ったんですね。

 それでふと思った。あれ、なんで絵本は一人で作るものなんだろうと。映画には監督さん、助監督さん、照明さん、音響さん、メイクさん、役者さんなど様々な方が自分の得意分野、得意技を持ち寄って一つの作品を作っています。でも、絵本はなぜか一人で作ることになっている。

 なぜだろう。そこに疑問を持ったんです。空を描く、建物を描く、森を描く、キャラクターを描く。それぞれの人が得意な技を持ち寄って映画みたいに分業制の絵本を作ったら面白いんじゃないか、そう思ったんですね。これまでにそんな絵本を見たことがなかったですし。

 けど、そういう絵本がこれまでなかったのはなぜかと考えてみると、一つの理由が浮かび上がってきました。要は絵本の市場が非常に小さいため、制作費をそこまでかけられないんです。5000部や1万部売れたら大成功と言われる絵本市場で、きっちりと採算を取るためには一人で挑むしかない。

 絵本の分業制がない理由がお金なら、自分で調達してしまえばいい。まずは制作費を調達するためのクラウドファンディングを実施しました。1000万円ほど集まりましたね。それからクラウドソーシングを使ってスタッフを募りました。

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