「既存の金融機関には、この市場に対する関心と能力が足りていない」――。独クレディテック(Kreditech)のアレクサンダー・グラウブナー=ミュラー創業者兼CEO(最高経営責任者)はサブプライムローン市場について、このように指摘する。2016年9月28日、楽天グループが主催する「Rakuten FinTech Conference 2016」で、「データレンディング―資金調達に革命が起きる」と題したセッションに、オルタナティブレンダー(従来とは異なる貸し手)の4社が集結(写真1)。白熱した議論を展開した。

写真1●「データレンディング―資金調達に革命が起きる」セッションのもよう
(撮影:渡辺 慎一郎)
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 低所得層の個人や中小零細企業など、既存の金融機関が貸し出しに二の足を踏む顧客に対し、独自のデータとテクノロジーを駆使して無担保融資を実行するオルタナティブレンディング。FinTechの本丸とも目される領域で、数多くのプレイヤーが登場している。

写真2●米Insiktのジェームス・グティエレスCEO兼共同創業者
(撮影:渡辺 慎一郎)
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 特にリーマンショック以降、「低所得層に対して、銀行が与信を提供するのは難しくなって」(米Insiktのジェームス・グティエレスCEO兼共同創業者、写真2)おり、存在感は増している。その原因として、クレディテックのグラウブナー=ミュラー創業者は、テクノロジーの活用が不十分だと説き、「既存金融機関には、データが欠けている」と分析する(写真3)。

写真3●独クレディテック(Kreditech)のアレクサンダー・グラウブナー=ミュラー創業者兼CEO(最高経営責任者)
(撮影:渡辺 慎一郎)
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 米アップスタート(Upstart)のポール・グ共同創業者も同調する(写真4)。「信用機関にヒアリングしてみると、返済能力がある人と実際に返済をしている人との間には差が生じていることが分かる。これは根本的にはデータの問題。既存の貸し手は、返済能力がある人を見いだしきれていない」(グ共同創業者)。

 アップスタートは、顧客の学歴や専攻、成績といったデータを使って、貸出審査を実施する。日々蓄積されていくビッグデータを機械学習によって分析することで、実際に融資を実行できる割合は2014年5月の11%から現在は25%まで増えたという。「データ量が増えることで、審査モデルがより良くなる」と、グ共同創業者は語る。その結果、「他社では特定できない借り手を発掘している」(グ共同創業者)とする。

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