デジタイゼーションが急速に進んでいる。それを加速するのがITの進化とイノベーションの推進力という2つの波だ。

 ITの進化については、IoTとアナリティクス、自動化が大きな影響を及ぼしている。ありとあらゆるものがつながり、そこから生まれるビッグデータを分析することで新しい気付きや発見を得るだけでなく、組織内のプロセスやオペレーション、判断の自動化、最適化が具現化されていく。

 イノベーションの推進力については、主導権が企業側というサプライ側から消費者側というデマンド側に移ってきている。消費者自らがニーズや声をデジタル情報として発信し、それに基づいてデザインしていくことが現実のものになってきた。消費者がサプライ側との共同プロデュース、開発によって新たな価値を生み出していく時代が訪れている。

上位10社のうち4割近くは今後5年以内に市場から脱落

 デジタイゼーションの影響は様々な産業に及ぶ。スイスのビジネススクールIMDとシスコの共同調査では、業界上位10社のうち今後5年以内にその4割近くが市場から脱落する。にもかかわらず、積極的な対策を講じようとしている企業は25%にすぎない。

 デジタイゼーションを成功に導くには、ビジネスプロセスおよびモデルの変革、利便と効率を向上させるイノベーション、エクスペリエンスのパーソナライズの3つが重要だ。ビジネスプロセスのデジタル化によって、あらゆる業務の最適化が可能になる。柔軟なビジネスやコラボレーションにより、利便性や効率性が高まり、社員の能力は最大限に発揮できる。モノよりコトに価値を求める消費者には、最適なエクスペリエンスを提供することで、企業も都市も国家も差別化を図れる。

 既にデジタイゼーションによる変革は進んでいる。金融界では、デジタルバンキングによるデジタルマネー、キャッシュフリーの社会に向けて動き出している。小売業でも、顧客一人ひとりの購入履歴からライフスタイルや嗜好を把握し、商品やサービスをタイムリーに提供するだけでなく、3DやVRによるリアル店舗での買い物支援やユーザー体験の提供が普及を始めた。

 製造業も変わり始めた。3Dプリンターによって、プロトタイプ作成から生産までを効率化する手法が一般化してきた。ロボットによって、生産や物流、標準化、在庫・品質管理の効率化が大きく進んでいる。

 シスコは、製造の分野で日本企業との連携を加速している。ファナックとの協業はその1つだ。ファナックとの間で、産業用ロボットとネットワークを接続し、ロボットの稼働状況を解析し故障を予知、ゼロダウンタイムと稼働率最適化を目指し、協業することを今年1月に発表した。さらに4月にはファナックと産業システムのロックウェルオートメーション、人工知能領域のプリファードネットワークス、シスコの4社で工場の制御装置、ロボット、周辺デバイス、センサーなどを接続し、生産を最適化するアナリティクスプラットフォームの開発にも着手した。

 デジタイゼーションが浸透する一方で、サイバーセキュリティの重要性が高まっている。シスコが昨年10月、日本を含む世界主要10カ国でサイバーセキュリティを担当する上級管理職1000人を対象とした調査を実施したところ、サイバーセキュリティ対策はデジタイゼーションの重要な成功要素との回答は96%に達した。

ビジネス、都市、国家で進むデジタイゼーション

最高水準の脅威保護を提供
セキュリティを包括的に確保

 シスコは業界最高水準の脅威保護ソリューションを提供し、顧客のセキュリティ対策を全面的に支援する。エンドポイントからICTインフラ全般にわたって、セキュリティ対策の計画からシステム構築、高水準の分析を含む運用支援まで、包括的なサービスを提供できる。また、セキュリティ専門家集団のTalosを中心に世界最大規模のセキュリティインテリジェンス基盤を構築し、顧客のビジネスの安全・安心に貢献できると確信している。

 デジタイゼーションは国家レベルでも進展する。世界各国が経済成長や雇用創出、都市のスマート化、医療、教育、治安など様々な領域でデジタイゼーションに戦略的に取り組む。シスコは2015年2月、フランス政府との間でデジタイゼーションに関するパートナーシップ協定を締結した。フランス政府はそれによってGDPの2%成長や100万人の雇用創出、サイバーセキュリティ対策強化、ベンチャー企業育成などを目指すことを宣言している。

 シスコは今年6月、東京オリンピック・パラリンピックのネットワーク製品のオフィシャルパートナーに決まった。2012年のロンドン大会、2016年のリオデジャネイロ大会に続き、ネットワーク製品を大会の基盤として提供する。それによって、観戦客が最高の体験を味わえるように努めるとともに、日本のデジタイゼーション能力の高さを世界に向けて発信していきたい。