第1回、第2回と、xTechの実例や、xTechの鍵となるAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)について説明してきた。第3回では、xTechの潮流に乗るためにビジネス戦略上どのような点に留意すべきか、そのノウハウをAPI提供者側と利用者側の視点、両方から紹介していく。

API提供者が押さえておきたいポイント

 APIによって自社リソースを公開し、外部パートナーと共にビジネスを共創していくために押さえておきたいポイントを説明する。

1.目的を考える

 APIは手段であり、APIを公開することが目的ではない。サービスや顧客のニーズ、あるいは市場の動きを敏感に察知して、顧客が求めているサービスや機能を見極め、それを実現するための手段としてAPIを開発する、そういった目的ありきのアプローチが非常に重要である。

 APIというキーワードだけが先行し、手段(APIの公開)が目的化してしまっているケースも見受けられる。そのようにならないためにも、まず具体的なビジネスモデルを描いて、それを実現するためにどのようなAPIが必要なのかを考えていこう。

2.公開範囲を考える

 APIの公開範囲も考えておく必要があるだろう。単純にAPIをインターネット経由で全てのユーザーに公開するのか、それとも限られたパートナーに対してのみAPIを公開するのか。マネタイズモデルを考える時の指標ともなり得る。

 第1回で紹介した寺田倉庫の事例では、制限なくAPIを外部に公開し、様々なパートナーによって多種多様なサービスを生み出してきた。一方で銀行など機密性の高い情報や機能を扱う場合には、特定のパートナーに限定してリソースを開放するケースもある。

3.マネタイズモデルを考える

 次にビジネスとして成立させるためには、マネタイズモデルをあらかじめ確定させておくことが重要となる。一般的なAPIのマネタイズモデルとしては、以下のようなモデルが存在する。

無償モデル

フリーミアムモデルとも呼ばれ、外部パートナーやデベロッパーに対してAPIを無償で公開することで、今までにない新たなサービスやアプリケーションが作り出されることを期待するモデル。

APIのコール数に応じて課金するモデル
 自社が保有するデータや機能などリソースが貴重なものであったり、特許や資格が絡むなどの理由で他社との差異化が図れる場合などで採用されるモデル。

レベニューシェアモデル
 APIの利用自体に課金は発生しないが、協業パートナーとの間に生まれた新たなサービスの売り上げをシェアするモデル。比較的大規模なビジネス展開に採用されるケースが多い。

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