第1回ではxTech(クロステック)の例やAPIがなぜ注目を浴びるのかを解説した。第2回は、APIが活用されているいくつかの事例を紹介する。第1回でxTech事例のうち、「TransportTech:運輸業界」「RetailTech:小売業界」「EdTech:教育業界」「RE(Real Estate)Tech:不動産業界」の4つについて取り上げる。なお今回の事例は、筆者が興味を抱いたもの、今後のxTechの将来動向を想起させるものを中心に選んだ。

東京メトロのTransportTech

 Androidスマートフォンをお使いの方々は「東京メトロNow」というアプリをご存知だろうか。東京の地下を走る、東京メトロの路線ごとに、車両がどのあたりにいるのかを表示してくれるアプリである。通勤や移動で頻繁に地下鉄を利用する筆者としては、ダイヤが乱れて混雑した車両が駅に停車している際、すぐに後続の車両が来るのかを調べるために使っており、重宝している。

 このアプリは東京メトロのオープンデータ活用コンテストの応募アプリで、東京メトロが公開しているAPIを元に作成されている。このAPI経由で提供されているのは、車両在線位置や遅延時間といった運行情報、時刻表や運賃表といった列車情報、バリアフリー情報や出入口といった施設情報など。このデータに関する開発者サイト(https://developer.tokyometroapp.jp/app/260)が公開されている。

Google Playにある「東京メトロNow」のページ
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 サイトでは上記のアプリ以外にもコンテストに応募されたアプリが公開されており、トイレ情報の提供やベビーカーでの外出を想定した設備情報提供など様々なものがあるので一度眺めてみると面白い。

 運輸業界ではAPIを経由して米ウーバーテクノロジーズ(Uber)が乗車リクエストボタンを提供していたり、航空業界団体の「SITA」が航路情報や空港の混雑情報を提供していたりするなど、移動手段の確保とリアルタイムに近い経路状況把握の両方が様々な交通機関で進んでいる。近い将来、一つのアプリを使ってドア・ツー・ドアの経路の検索だけではなく、その経路に含まれる交通機関の空席情報の把握や座席の購入までできるようになっても不思議ではないように感じる。

スマレジのRetailTech

 最近は、プラグラムが提供する「スマレジ」や、ユビレジの「ユビレジ」のように、タブレットをインタフェースとして使ったPOSレジのソリューションも増えている。例えば、スマレジは2万5000店舗以上で使われているという。スマレジは、そのソリューション単体で、コンパクトなPOSレジ端末に加えて、情報管理・分析機能を有しているのだがAPIも有効に活用している。

 標準で、クラウド型会計ソフトの「MFクラウド会計」やクレジットカード決済の「楽天スマートペイ」、「Coiney」といった外部サービスとの連携機能を備えている。さらに、スマレジのデータを読み書きするAPIを提供しており、必要な機能の独自開発や既存システムとの連携ができるようになっている。

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