中堅ゼネコンの安藤・間(安藤ハザマ)は、山岳トンネル工事の進捗管理に画像解析AI(人工知能)を活用する取り組みを始めた。トンネルを掘り進めたときにできる断面である「切羽(きりは)」の画像を、ディープラーニング(深層学習)を基にした自動評価システムで判定。地質専門家が現場にいなくても、品質や追加工事の必要性などを判断できるようにする。

写真1●「トンネル切羽AI自動評価システム」の概念図
(出所:安藤・間)
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 安藤ハザマは2016年9月20日、日本システムウエア(NSW)と共同で「トンネル切羽AI自動評価システム」(写真1)を開発し、東北のトンネル工事現場で試験運用を開始したと発表した。システムについては特許も出願した。

 米グーグル(Google)発のオープンソースソフトウエアの機械学習エンジンである「TensorFlow(テンソルフロー)」を採用(関連記事:米Google、機械学習システム「TensorFlow」をOSSとして公開)。アルゴリズムは、リクルートテクノロジーがネイル画像の分類に利用したのと同じ「CNN(Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)」を使う(関連記事:ネイルも自動車もCaffeで機械学習、感性検索を可能に)。

機械化が困難だったトンネルの地質評価

 安藤ハザマでシステム開発を主導したのは、土木事業本部土木設計部基礎技術グループ地質技術チームの宇津木慎司部長(写真2)だ。地質工学の専門的な知見を基に、工事現場を支援するのが役割。全国のトンネル工事現場で岩盤・地質に関わる課題が出ると足を運び、切羽を観察してアドバイスする。

写真2●土木事業本部土木設計部基礎技術グループ地質技術チームの宇津木慎司部長
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 地質の調査はどのような工事でも必須だ。マンション・ビルなどの建築工事なら、敷地内を試掘するボーリングで地質を調査する手法が有効で、ある程度機械化・自動化が進んでいる。ところが、地上・山肌から数十から数百メートル下で施工するトンネル工事ではボーリング調査ができない。長い距離を掘り進めるうちに地質が変遷することもある。

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