Linuxと一言で呼ばれているが、実際には、Linuxカーネルと多くのフリーソフトから構成されている。それぞれのフリーソフトは、個別のプロジェクト、コミュニティにより独立して開発が行われている。Linuxカーネルと様々なOSS(オープンソースソフトウエア)を組み合わせてOS一式としたものを「ディストリビューション」という。

 ディストリビューションは、やはり個別のプロジェクト、コミュニティや企業などが作っている。Windows 10 Anniversary UpdateからサポートされたWindows Subsystem for Linux(以下WSL)に組み込まれるのは、英Canonicalが開発支援するUbuntuというディストリビューションだ。

 Ubuntu Linuxでは、ソフトをインストールする際のパッケージ形式に「deb」を採用しており、「APT」と呼ぶパッケージ管理ツール(実際にはdpkgというツールのフロントエンド)を使っている。WSLでも、このAPTコマンドを使うことで、様々なパッケージを追加できる(別途解説する)。

 LinuxやUNIX系のOSで注意することは、大文字と小文字を区別することだ。これは、ファイル名だけでなく、解説文などでも、大文字・小文字の違いが意味を持つことがある。LinuxやUNIXは大文字・小文字を区別する「文化」なのである。

 例えば、小文字の「ftp」はコマンド(プログラム)を指すが、大文字の「FTP」はプロトコルの略称として使うといった具合だ。各種のコマンド(例えばエディターのviなど)で操作のために要求される文字や、コマンドラインで指定するオプション文字も大文字・小文字を区別している。

 現在のWindowsでは「フォルダー」と呼ぶのが一般的だが、Linuxでは「ディレクトリー」という。WindowsもMS-DOSのときには、ディレクトリーと呼んでいた(このためファイルのリストを表示するコマンドがディレクトリーの略となるdirになっている)が、ファイルシステムの機能が拡充して特殊フォルダー(記憶装置上には存在しないフォルダー)などの概念が入ってきた段階で名称が全てフォルダー(フォルダ)に切り替わった。実用上はフォルダーとディレクトリーには大きな差はないが、この特集ではLinuxのコンテキストではディレクトリーを、Windowsのコンテキストではフォルダーを使うことにする。

 Linuxで各種のヘルプは、全てmanコマンドを使う。コマンド名を引数にすれば、統一された形式で解説が表示される。基本は、引数に調べたいコマンド名を置き、

man ls

などとする(画面1)。manが終了すると元の画面に復帰するようになっているため、参照しながらコマンドを入力するような場合には、別のウインドウ(別のコマンドプロンプトウインドウでbash.exeを実行する)で、manを表示するなどの方法を使う。

画面1●Linuxでは、manコマンドでオンラインマニュアルを参照できる。このとき、長い文章のページ送りを操作する「less」プログラム(コマンド)が動作しているので、スペースや「f」で次のページに、「b」で前のページに戻り、「q」でmanを終了する
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