情報サービス産業の技術者たちが今後チャレンジすべきと考える上位3技術は、次世代Webプロトコル、IoT向けネットワーク技術、サンドボックス(仮想化技術による保護領域)。前年1位だったネットワーク仮想化技術が4位に後退し、デザイン思考が7位に初登場するなど、ネットワークとセキュリティを中心に、デジタルビジネス関連技術も浮上してきた。

 一方、実際のビジネス面を反映するシステムインテグレーション(SI)の実績上位3技術は、商用RDBMS(前年2位)、Windows系サーバーOS(同3位)、ウォーターフォール開発(同1位)で顔ぶれは同じ。商用Webアプリケーションサーバー、データストレージが上位10位に食い込む。クラウド関連技術への着手意向は横ばいか下降気味で安定するもSI実績はいまだ少なく、これからが本番である。こうしたことが、情報サービス産業協会(JISA)が会員企業の技術者を対象にした調査「情報技術マップ」の2016年版で明らかになった。

ガートナー「ハイプサイクル」の向こうを張って始まった

 毎年生まれては消えていく情報技術のトレンドを俯瞰するうえでバイブルのような存在が、米ガートナーの「先進テクノロジーのハイプサイクル」である。2016年版はワールドワイド対象が8月、日本対象が10月初旬に発表された。ハイプサイクルの目的は、情報技術をいくつかのグループに分け、各技術の成熟度やビジネス貢献度、今後の方向性を明らかにし、ユーザー企業の技術投資戦略・システム計画担当者に提供すること。ガートナーは1995年に公開を始めた。

 ガートナーのハイプサイクルは、あくまでも外部専門家の手による技術トレンド。これに対し情報サービスの現場で働く技術者の生の声を反映させたものが、情報技術マップである。JISAは2004年から会員企業に提供しており、「ガートナーの向こうを張って技術動向を俯瞰できないものか」(JISA)という思いで始めた。調査対象はJISA正会員企業のPM(プロジェクトマネジャー)やプロジェクトリーダー、チームリーダーのほか、SEやプログラマー。アンケート回答者は37企業の1332人。2016年版では14分野、計126の要素技術を取り上げた。

 14分野と要素技術数は次の通り。

A:ホスト・サーバー・ストレージ(8要素技術)
B:OS・サーバーソフト(10)
C:システム連携とミドルウエア(5)
D:クラウドコンピューティング(8)
E:コンテンツ・ナレッジ管理・コミュニケーション技術(9)
F:データベース関連技術(9)
G:ネットワーク関連技術(7)
H:クライアント端末関連技術(9)
I:セキュリティ関連技術(12)
J:開発言語(11)
K:開発環境・開発ツール(13)
L:開発手法・開発プロセス(8)
M:運用管理(9)
N:ITガバナンス・マネジメント(8)

 上記14分野126要素技術のそれぞれについて、1300人超の技術者が利用動向を回答した。回答の選択肢は次の5つ。

1:この技術の利用実績があり、今後も利用する
2:この技術の利用実績あるが、今後は別技術で代替する予定
3:この技術の利用実績ないが、今後は利用すべき
4:この技術の利用実績がなく、今後も使う予定なし
5:この技術を知らない、もしくは深く知らない

 選択肢の組み合わせから指数を算出する。着手意向指数は「選択肢3の回答者数」を「同1〜4までの回答者数」で除したもの。SI実績指数は同「1+2」を「1〜4」で除し、認知度(%)は同「1〜4」を「1〜5」×100で除し、継続利用意向指数は、同「1」を「1+2」で除した指数である。

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