米IBMが2017年7月18日、前年同期から4.7%減となる2017年度第2四半期(4〜6月)の決算を発表、売り上げ減少の記録を連続21四半期へとさらに引き延ばした。しかし、同時にIBMは、5年も下向き続きの運勢を上向かせるために、1950年代からおなじみの大黒柱に頼ることも発表した。それが謎めいた黒いモノリス風の外観を持つメインフレーム「IBM z14」である。

 zという名のメインフレームの8代目に当たるz14は、IBMのハードウエア事業の落ち込みを食い止め、そしてジニー・ロメッティCEO(最高経営責任者)が事業転換を図る時間を稼ぐための新バージョンでもある。第2四半期1%増だった日本IBMは7月27日、z14の見込み客へのお披露目を、今ではメインフレームの巨大顧客となった中国に本拠を置くホテルで行い、第3四半期以降に弾みを付けようとしている。

 IBMのハードウエア事業の売上高は、もう23四半期もプラス成長から見放されている。顧客がITニーズの一部をライバル企業のパブリッククラウドサービスへシフトする中で、IBMはハードビジネスの問題のいくつかを悪化させた。そのためIBMは、コモディティサーバーや半導体事業を売却し、利益が見込めるメインフレームzとUNIX/LinuxサーバーのPower、ストレージに資源を集中し、回復を狙っている。

機種交代のたびに顧客ベースが目減り

 ハードウエアがIBMのビジネスに占める比率は、この10年間で22%から10%に縮小。だが、メインフレームはIBMの運命の鍵を握る重要な製品であり続けた。国内のある銀行系アナリストの試算では、IBMメインフレームはそれと並んで販売されるソフトウエアやサービスを加味すれば、IBMの利益の4分の1から3分の1を占めている。これはメインフレーム最大の米国市場から撤退した富士通にも当てはまる。同社は2016年度にグローバルサーバー(GS)という名のメインフレームを国内で101台、133億円販売した。

 富士通のメインフレームは2002年度の666億円と比較すれば現在は5分の1だ。IBMも減少してはいるが2002年度の32億ドル(約3580億円)に対し、2016年度は34%減の21億ドル(2370億円)と結構踏ん張っている。2002年度と2016年度ともに、後継機の出荷が始まる前年に当たる(図1)。2〜3年のz販売サイクルから見た新機種直前の買い控えの影響が出る良くない年だ。

図1●IBMメインフレームzの販売実績(2002〜2016年)
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