システム構築にはたくさんの会議がある。例えば定例の進捗会議や要件定義といった各タスクの会議。あるいは重要な議題を審議するステアリングコミッティー(ステコミ)もある。これらの会議をどこで開催するかといえば、たいていの場合は発注者であるユーザー企業の事業所内だ。

 もちろん、会議を開催する上では会議室というスペースの用意が最重要である。それに加えてホワイトボードやプロジェクター、あるいはノートPC用の電源といった設備の用意も大事だ。また快適な環境で会議を進めるには、夏や冬の温度管理も忘れてはならない。スペースとしての会議室は会議に参加する人数や会議の目的によって適切な広さといったものがある。

 新しくきれいな部屋で、なおかつ窓からの景色が素晴らしいのに越したことはない。しかし、本コラムはそのような空間的な好条件を求めるわけではない。

 大事なのは、発注者側の担当者のちょっとした気遣いでできる会議室環境の向上である。それは備品や空調、座席レイアウトといった事柄だ。

 例えば、ホワイトボードのペンである。書こうとするとインクが出ない。何本もペンがあってもどれもまともに書けない。書けないから「それでは口頭で説明します」となる。口頭説明だと図よりも分かりにくいから、議論の生産性は確実に落ちる。そして書けないペンをそのまま放置するから、翌週の会議でもまた満足に書けない。黒、青、赤の3本は必ず書けるペンを用意すべきであり、それは大した手間ではないはずだ。

暖房のスイッチは事前に入れる

 また、冬場の朝一番の会議の場合、会議開始と同時に暖房のスイッチを入れると最初のうちは寒くて集中できず、「いや~、今朝は一段と寒いですね」などと雑談になってしまう。会議開始の10分前にエアコンを入れておけば、これは防げるだろう。

 ここ数年、筆者が顧客であるユーザー企業に出向く際に目にするのは、会社規模の大小や会議室数の多寡にかかわらず、どのユーザーも会議室の確保にかなり苦労していることだ。大企業であれば会議室をたくさん持っていても、会社全体が行う会議数もこれまたケタ外れに多い。

 中小企業であれば会議室が一つか二つしかないことも普通である。それはそもそも会議室という会社のファシリティーの問題なので、担当者レベルではどうにもならないこともある。とはいえ、逆に苦労して確保した会議室で行う会議だからこそ、少しでも快適な環境で効率よく会議を行い、成果をなるべく多く上げるための「できること」をきちんとやるのが重要なのではないだろうか。

 それからもう一つ付け加えると、たまにはベンダーの事業所で会議を行ったらいかがだろうか。いつもと違う場所でやることで、気分転換にもなるし、ベンダーの雰囲気や労働環境なども感じられる。何よりも会議室確保の悩みをそのときは「丸投げ」できるので、数回に1度くらいは、ベンダーで会議を行ってみるのも悪くはないはずだ。

出典:日経SYSTEMS 2016年12月号 p.8
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