実証実験の終了後、ログやデータベースの情報に基づく定量分析や、利用者へのアンケートなどによる定性分析などを実施した。最終回の今回は、それらの結果を紹介する。また、今回の実証実験から得た知見に基づき、ビーコン活用の将来を展望する。

出所:リクルートテクノロジーズ
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アクティブユーザーは徐々に減少

 実施期間の初期においては、物珍しさからかアクティブユーザーはそれなりにいたものの、後半になるにつれ利用者数は落ちていった。これは想定していたものではある。

 サービス自体が、ファーストコンタクトからセカンドコンタクトへの促進をサポートするものだった。そのため、そもそも初対面の人との出会いが少ない職種の人間にとっては有効なシーンが少ないことは想定できた。

 一度人間関係がつながった後の、日々のコミュニケーションにも利用できるような機能などを入れたら、また話が違っただろう。

 しかし今回の施策の主目的はあくまで、スピード感をもって、新しい技術の応用に対する評価を行うことだったため、継続性ではなく、まずはとにかく一カ月、一週間でも体験してもらうことを重視した。

 期間中、あるいは終了後も、社内外から、「具体的な話を聞きたい」「こういった応用は可能か」というような問い合わせを多く頂き、相談の場を設けさせてもらっているので、次に繋がる芽とすることはできたのではないだろうか。

使い勝手と電池寿命のトレードオフ

 「画面を開いても、周囲の人の情報がすぐに表示されない」という、ユーザビリティに対する不満を持つ人もいたようだ。

 ビーコンのパケット発信頻度を3.5秒にしていたためではあるが、前回解説したように、この設定は、電池消費量やオフィスでの電波ノイズなどのトレードオフを考慮したものだ。

 もっと高い発信頻度にしておけば、アプリ画面での表示までにかかる時間に対するストレスは軽減できただろうが、別のところで問題が発生したと考えられるので、非常に難しい問題である。

デバイス運用体制の重要性

 このようなサービスを展開する場合、Webやスマホのアプリだけのサービスと違い、デバイスに関係する運用体制も考えなければならない。

 故障、電池消耗時にどう交換するのか、紛失時にどう対応するか、配布はどうするのか、初期設定のコンフィギュレーションは運用側でやるのか、配布後にユーザーにしてもらうのか、その際のプライバシーやセキュリティに問題はないか。

 今回は社内で3カ月という限られたスペースと時間の中での実験的なサービスだったが、そうでないところで応用したい場合は、これらの問題はより複雑なものとなるだろう。

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