企業のIT部門をいかに強くするかについて、今回も筆者なりの考えを述べたい。一つめのテーマはシステムの共同化、もう一つはIT担当者の知見やノウハウをどう引き継ぐかという問題だ。

 複数の企業によるシステムの共同化は、これまで地方銀行やカード会社など金融機関が積極的に進めてきたが、将来にわたって様々な産業分野に拡大するとみられる。システムの構築や運用にかかるコストを削減したいという、経営層の狙いに沿った取り組みだからだ。

 中でも削減を見込めるのは、システムを構成するハードやソフトの購入費および運用コストだ。1社で購入するには高価すぎる製品でも、複数の企業で分担すれば投資負担の軽減につながる。ソフトの追加開発にかかる費用についても同様の効果を期待できる。

 このほか、複数の企業がシステム作りのノウハウやアイデアを持ち寄ることで、1社だけでは成し得ないような堅牢かつ柔軟なシステムに仕上げることも可能になるだろう。

 ただし、システムの共同化は「言うは易く行うは難し」を地で行くプロジェクトでもある。同じ業種業態であっても製品やサービスの品揃えは異なるものだし、業務処理体制も違っていて当然だ。システムに求められる基本的な機能要件を統合化できなければ、プロジェクトの成功はおぼつかない。

 また、データベースのコード体系なども企業によってまちまちである。コードを変換して継続性を保つか、あるいは共同化を機に新たなコード体系を作ってそこに寄せるか。事前のシステム化の構想やアーキテクチャをきっちりと作っておくことも重要だ。

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