第3次ブームを迎えていると言われる人工知能。その歴史は実はかなり長いのをご存じでしょうか。その成り立ちを振り返りながら、人工知能の未来を探っていくことにします。

人工知能の「有史」以前

 その歴史は、「人工知能」という言葉がまだ生まれていない時代に始まります。1600年代にフランスの哲学者ルネ・デカルトの「機械論」が提唱され、一定の支持を受けていました(図1)。

図1●人工知能の主な歴史
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 機械論では、人間も含む自然現象を決定論的な因果関係のみで説明します。人間の知能も複雑な動きをしますが、決定論的な因果関係のみで説明できる、としています。つまり人工知能の可能性もあるわけです。

 1940年代にコンピュータが発明され、それに伴って人工知能に関する研究も萌芽していきました。この1940年代には、アメリカの数学者ウォルター・ピッツと神経生理学者ウォーレン・マカロックによって、「ニューラルネットワーク」のベースとなる人工神経細胞のネットワークに関する研究が実施されています。

 1950年代になると米国の科学者アーサー・サミュエルらがチェッカーやチェスのプログラムを作り、ゲーム人工知能の走りとなりました。このように人工知能が誕生する機運が高まってきました。

 また1950年にアラン・チューリングが「チューリング・テスト(Turing Test)」を提唱し、人工知能であるかどうかを判定するための客観的なテスト方法を示しました。

 チューリング・テストとは、与えられたプログラムが人工知能であるかどうかを判定するテストです。人間がテレタイプを通して相手と会話を行い、相手が人間か機械かの区別ができるかを試し、区別できなければ人工知能と判定するテストです(図2)。

図2●チューリング・テストの概要
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 チューリング・テストは、少なくとも人工知能であるための必要条件として、今でも語られています。

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